[発勁]捋

■[勢] 扌履勢(四正手)[発勁]捋(り=しごく) [把式名] 撅臂(けつひ)

IMG_3063最近の太極拳の紹介で、よく四正手の扌履勢が捋勢と紹介されていますが、捋は勢ではなく発勁です。

扌履勢の扌履が中国においても日本においても、タイプで表示されないため、誰かがどこかで捋を当てたようです。扌履は太極拳の重要な十三勢の内の一つを表すものですが、漢字では手で履かせるという太極拳の妙技を表現する文字がなく、太極拳の密議で作成されたものです。この技(発勁)はその意味がわからないとかけることができません。(詳しくはこちら

その勢を使った発勁の一つに捋があります。ここではこの捋の把式である撅臂を紹介しました。当流では、門位の把式です。演武(当流門下)

 

天枢穴「点穴術・拿穴術」

天枢穴 天枢穴は先天の精と後天の精をつなぐ架け橋の要である。先天の精は人間が生まれながらにして持つ、生命体としての生理機能であり、後天の精は生まれてから身につけた心身の性質である。先天の精の要である自律神経は、後天的な人間の性質によって大きく左右される。この天枢穴を点穴すると、自律神経の要所であり、第二の脳と言われる太陽神経叢に対し陰の刺激を与えることになる。副交感神経系の暴走が起こり、血圧の急激な低下とともに、胃や肝臓・すい臓、腎臓などの重要な臓器が機能低下する。持ちろん大腸も機能低下するが、それよりも自律神経のバランスが一挙に狂う。
活法として拿穴すると、興奮していたり、よく眠れなかったり、いつもイライラして、心拍数が多く、高血圧気味で便秘、いわゆる交感神経系が過剰な疾患の改善に役立つ。様々な有益なリラックスホルモンを生み出す。お腹をさすると落ち着くのはこのためである。拿穴は背中にある大腸兪穴であり、逆にやる気が出ない元気が無い、うつ気味、げり気味などの場合に掌打又は拿穴にて改善する。
この経穴への点穴の狙いは戦意を喪失させることにあるが、軽く点穴した場合でも、意識がもうろうとし吐いたりするなどの急性的な症状が出る。上丹田である泥丸の中には視床下部があり、ここと連携して自律神経を管理しているため、天枢穴を打つと、生命の危機に似た不安感が急激に襲う。即ち、これで戦意を喪失する。自律神経は生命を維持する重要な臓器の働きを左右するからだ。大腸兪穴は逆にアドレナリンなどのホルモンが出るような緊張度を生み出す場所であり、凶暴性を増し、緊張度を高めるため逆に生命の危機に値するような恐怖感が現れる。太極拳ではこの場所を点穴することで、相手の動きを緊張させ、心拍数を増幅させ、焦らせたり、近視眼的に短絡的にして、相手の虚を作り出し、相手を制御する技法もある。背面の攻撃においては、他の兪穴も同じようにして使用する。
活法では天枢穴を拿穴して精神的に自信を生み出す技術がある、この場合は、自分にでも行う事ができる。又逆に、大腸兪穴に対して拿穴を行うと、精神的に自我が高まるようなやる気が出てくる。この双方の募穴と兪穴のバランスが整っていると、精神は健全である。太極拳の坐法で導引を行う。
最後に、太陽神経叢の中心に向かって正確に強烈な点穴を行うと、神経原性ショックにより迷走神経が反射して、急激な血圧低下により死亡する場合がある。危険な場所である。この点穴術も打ち方があるが、その危険性を知らずに、たまたま角度と深さが一致すると危険であるから、腹部には必ず二重構造の防具を纏って踢脚などの攻防を行うべきである。この場所を打つ又は蹴ることは、当て身として有効であるが、場所をずれると大動脈、すい臓や肝臓などの重要な臓器があり、損傷させると取り返しの付かない事態となる。

■点穴術と拿穴術の招式(運用法)

※門下の自宅稽古のために、練習済みの運用法をおいおい掲載するようにしています。

期門穴「点穴術・拿穴術」と腎

期門穴 経絡のネットワークは腎から始まり腎で終わるが、十二の経絡の流れで気穴に流注していた気は、正確なリズムを持ってこの期門穴への流注で最後となり、次に腎へ向かい章門穴で気の流れを治めながら、京門穴から腎へ気が流れていく。

期門・章門・京門は体の気のネットワークにおいて、期門は経絡全体の気の昇降や、経穴からの気の出入りの正常なリズムのようなもである気機を司る。止まること無く、運動し続ける活力である気の、そのリズムを狂わせると、体全体に気の統一感が無くなる。そわそわして、落ち着きが無く、不安で、少しのことにも怯え、心臓や肝臓の疾患にもつながる。鬱状態などが極まるだけで無く、よくつまずき、足元がよろつき、情緒不安定で、自分の体が自分で無いような感覚になる。様々な症状が全身に起こる。又ここは詳しく紹介する。

この場所への点穴は、ただ打つだけでは行えない。ここは、経穴が浅く小さい場所で、特別な打ち方があるが、強烈な痛みがあり、不整脈などを招くのでとても危険な場所である。ここへの点穴は適度に行えると、相手の戦意を著しく消失させることができる場所である。話すのもままならず、もうろうとして戦意を喪失する。唖穴・暈穴となる。しかし、的確に点穴すると、一斉に気が乱れ、不整脈や徐脈などの重篤な症状を招くので、むやみにこの場所への、特に踢脚などの鑚脚は行わないようにする。どちらにしても、二重構造の胴をつけず、太極拳の踢脚などを本気で蹴り込むなど、相手を殺しても良いという故意に等しいものであり、絶対にやめるべきである。

気機の乱れ方には虚実があり、活法において、期門は虚を担当する。すなわち、リズムが速く乱れている場合、心臓で言うと頻脈、それに伴う不整脈の場合などに、緩やかにして正す。兪穴は肝兪穴であり、逆にリズムが遅く乱れている場合、心臓で言うと徐脈、それに伴う不整脈の場合などに、速くして正す。どちらも拿穴を行う。
期門は気のリズム、章門は気の流れ、京門は気の強弱と覚えておく。
そして腎は言うまでも無く、先天から受け継いだ生命力そのものの気が宿る場所である。ここはボクシングでもキドニーブローといい反則とされている重要な場所である。太極拳の擺蓮脚、下勢打虎などはここを直接狙う。ここの皮下組織は薄く、腎臓に直接、勁が届き外傷を受けやすいので危険な場所である。腎不全などの症状を起こすと、軽い場合は、悪心と嘔吐程度であるが、重度の場合は、けいれんや昏睡を招き、死亡率は50%である。又比較的軽い打撃でも、腎は内分泌系や免疫機能など全般の機能低下に繋がり、生命維持に重要な場所であり、ここの障害を持つと一生涯における生活の質を低下させる。それほど重要な場所であるから、肺と同じく二つあると言っても良い。ここを強く打つと、7年後に死ぬと言われる場所である。一挙に老化が進み、免疫力低下のため、がんなどの病に冒されやすい。にもかかわらず、巷では回し蹴りらしきものを多用した仕合や練習を見るが、通常の防具では背中側の腎は守られておらず、当たりどころが悪ければ、重篤となる。しかしながら、本気で蹴っても、巷の回し蹴りは蹴りがさほど強くない場合がほとんどで、重篤にはならないが、万が一当たり、後に腎臓に障害が出たり、免疫機能が落ちたりなど、体に支障が出ても、もう後の祭りである。太極拳には搬という腎を守る為の技術はあるが、またそれをかいくぐって打つ技術もある。太極拳を真に学べば、その腎、及び、京門、章門、期門などの経穴の周辺を、本気になって練習で分脚や踢脚、擺蓮脚で蹴り込んだり、下勢打虎などで打ち込む仕合や散手練習など恐くてできなくなるのが本当のところである。
腎には先天から受け継いだ気が宿り、肺にて自然界に存在する清気を後天的に取りいれ、脾臓において飲食物から栄養素を体内に後天的に取り入れて、生命を維持するのである。その土台である腎を崩すわけであるから、これは生命をじんわりと絶ったと言っても過言では無い。実際に腎を強烈に打ったり蹴ったりする技術があることを知れば、たとえ防具を着けていても、腎を守ることなく、安易な仕合や散手練習は恐ろしくなるはずである。愚かなことはもっとも恐ろしいと言える。

■点穴術と拿穴術の招式(運用法)

※門下の自宅稽古のために、練習済みの運用法をおいおい掲載するようにしています。

本日の武道練習2015.5.24

①散手運用

攻守散手・胴をつけて攻守拳脚
②右進右射虎掌
右に気を進め、相手の右太陽穴に右射虎掌を放つ。
③散手対打
右進右射虎掌〜転身按〜換歩左掌〜圧掌独立膝撃〜下按
④招式
(立腕を両手で握られた場合の攻防)※握る又は上下に移動の場合(海底針解腕)※懐中抱月(倒攆猴式)に対する攻防(抱掌解腕盤肘撃「野馬分鬃」)※懐中抱月(倒攆猴式)の練習※補足「懐中抱月(高探馬式)」
⑤招式
右手を右に大きく振られて踢脚を心窩に蹴り込まれる(相手の左手の場合は、斜飛脚、相手の右手の場合は十字脚)今回は十字脚のときの攻防(転身大扌履摔)摔角(転身大扌履撅)擒拿※補足・別式に抱掌射虎撃があり※十字脚の練習(胴をつけて)※補足(十字脚の内外への攻防、斜飛脚の内外への攻防を整理しておくこと※どちらも解法からの拳脚・擒拿・摔角あり)
⑥招式
右手を両手で下に押し下げられたときの攻防(沈肘解靠)解法※野馬分鬃
復習(左眄栽撩拳)
⑦招式
金的蹴りを脚で受けて、相手の金的に蹴り返す。内からの金的攻撃(腿防分脚)外からの金的攻撃(腿防指襠捶)

■詳細

※本日の練習の相対招式の技術を詳細に記載しています。要訣など、随時加筆していきます。