太極拳の坐腕伸指と重症虚血肢

 以前、太極拳を習いたいという人から電話で問い合わせがあり、「重症虚血肢」を改善したいので、医者から勧められたのだが、太極拳はその様な効果はあるのかという質問がありました。
太極拳だからといってそんな効果があるかは、その太極拳に依りますから一概には言えませんが、体の隅々まで気血が行き渡るものが本来の太極拳です。と伝えました。

勢いを人間の心身を超えて発揮すれば、人間の心身の隅々まで気血が行き渡ります。
そうすれば、例えば、自然と指先が伸び、手首(中国語では「腕」)が生きます。「坐腕伸指」です。風船でできた人形に、空気を入れてきんきんに膨らませたような状況になるのです。水をたっぷり吸い上げて、大空を一杯葉に取り込んでいる、活き活きと野原に咲く、一輪の花のようになります。それが沖和という「カオスの縁」です。

一般に流通している太極拳の本を見て、その形や理屈だけを真似てその様な効果が出るはずがありません。

公園で太極拳をするのは、体を自然の中で動かすので気持ちがいいのはあたりまえです。それなら、ラジオ体操でも何でもいいのです。これは単に癒やしです。癒やしもいいのですが、自分の太極拳が、何の条件もなく暢やかで気持ちいいのは、人間の体の縁を超えた勢いが生まれるときです。その勢いは、沖和まで心身を導きます。この気持ちといい感覚は、癒やしなどの感覚とは違い、心身の生命力を無限大に解放するような快感です。

いくら、こちらで太極拳を学んでも、人間の条件を超えられない人の勢いは、人間の内で滞ります。その条件は、ほとんどが頭で覚えた知識です。これが、おおらかさを止めてしまうのです。その様な気持ちよさは、今まで慣れた自分の条件内での自己満足と癒やしに過ぎません。どんどんとそのしきい値は狭まり、より気血を滞らせていくので、逆に悪循環を招きます。このような太極拳であれば、何の理屈もないラジオ体操の方がずっといいどころか、自然な気血の循環にとって危険であるとも言えます。

大架式は、体に発生した勢いが、人間の心身という風船を超えて伸びていこうというおおらかな勢いです。人間の条件でとどまったものは、風船が膨らみきらず、指先も折れ、手首も死んでいます。

そうすれば、もちろん脳などの血管にも、手足にも、臓器にも気血が生き渡りませんから、重症虚血肢だけでなく脳梗塞や心臓疾患を招くのは当然で、その医師もそれを知っていて太極拳を進めたのでしょう。

しかし、太極拳の知識を書籍などで脳に詰め込み、その知識に固執している限り、いくら真の太極拳を学んでも、その殻を超えることはできません。

太極拳の最初の学び方は、最初は套路の型の記憶と、実際にその勢いが起こす理論と同時にその時の感覚の質(クオリア)を学ぶことです。そして、その理論のある套路や型など最初から行えるわけがないと諦めておくことです。いうなれば理論を知っているが、捨てておくのです。動き方は知っているが、捨てておくという「甩」の精神です。

知っている太極拳の理屈通り動こうなどもってのほかです。それが気血を滞らせるのです。動けるはずがありません。おおらかに気持ちのいい動き方を心身で学び、いつの間にか理論通りに動きになるのです。本末転倒です。

ただ、記憶した套路を気にせずとも動けるようになるまで毎日行います。すると、あるとき教わった感覚質が現れ、教わった理論が同時に認知されるのです。

ここで始めて太極拳の理論通りの動きができているのです。

 


重症虚血肢Vol. 548, No. 76682017年8月24日動脈が詰まって血流が悪くなったり止まったりすると、痛みを生じるだけでなく、ときに腕や足を失う恐れがある。 重症虚血肢が悪化すると生命に危険が及ぶこともある。患者の約70%が血行再建術の適応となるが、それ以外の患者では切断以外の選択肢はほとんどない。再生医療によって、こうした現状が変わる可能性がある。

情報源: Nature Supplements | Nature Research

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