大輪の椿の花《太極拳三昧》

朝の太極拳の後に、近くのお寺に参拝する。今日は大きな椿の花が、目に飛び込んできた。掌ぐらいの大きさである。
あの小さな蕾から、この大きな花が生まれ出る。
蕾は、この椿の木が、空間と時間の全てと縁を得て生み出したものだ。
すなわち、全体が、全てが、この蕾を生み出した。
楊式の太極拳は、大架式の套路で練る。大輪の椿の花である。
蕾の中には、この椿の花が詰まっている。
それが花開く、それが大架式である。
そして椿の花は、やがて実を結び種を作る。
種には、全てが詰まっている。
太極拳は、全てを備えた小架式となる。
散手対打や対錬で、小架式を極める。
その種は、ただ有るだけで、すでに椿の全て。そして、空間と時間の全てである。
大架式は椿の花。
大らかに、のびやかに、開くだけでいい。
それを知っているから、套路を無為に、ただ自然にやる。
一粒の椿の種には、三千世界がある。
一振りの勢は、三千世界から来る。
一息の吐息は、三千世界に及ぶ。
一粒の芥子の実もしかり。
この世界を知れば、大架式は実を結ぶ。実は、全てを備える。

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