套路と相対練習の相乗効果

套路は、自然な勢で動いた結果の動きを連続させたものです。套路練習が熟練してくると、自然な勢が連なっておおらかに動けるようになってくるので、気が充実し、連続した型がとても気持ちよく行えるはずです。少なくとも、武当派の套路はそのようにできあがっています。相対練習を熟練してくると、套路の感覚と同じように感じられるようになってきます。相対練習は現実であり、套路は理想と考えればいいでしょう。
套路において一人で自然と融合して発せられる勢を、相対練習においても、人間という相対的なものと融合して同じように発せられるようになれば、太極拳は「神明」の領域に入っていきます。
相対練習は套路を現実に、套路は相対練習を理想に和合させていき、双方が融合して太極図を描くように無為自然の太極拳が完成します。
相対練習で行った技は、自宅で相対練習の動きを描きながら、一人でゆっくりと式(型)や套路(型の連続)を行って練習してください。現在の套路は流派によって基本的な数式を組み定めて行っていますが、元々太極拳には三百以上の式があり、本来の套路は、それを相対練習に応じて、その自己練習として各自でその相対の技を組み合わせて套路を行っていたのです。

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