身体活動・運動|厚生労働省

IMG_3496厚生労働省では、総死亡、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどの罹患率や死亡率を減少させる効果として、一日一万歩程度の歩行を推奨しています。

一日一万歩というと、1000歩を10分として100分、すなわち一時間40分ほど歩くと言うことになります。

アスファルトの歩道をもし、それほど歩くと、膝や腰に強い不自然な圧力がかかり続け、健康効果よりも膝や腰、首などの損傷、同時に体内に強い緊張が生まれる結果、体に不利益な生理反応が起こるなど、マイナス効果が多いことも知られています。

運動強度の単位で、安静時を1とした時と比較して何倍のエネルギーを消費するかで活動の強度を示したものがMetsという数値です。単なる歩行は3Mets程度で、1時間40分も歩かないといけないのですが、軟らかい不安定な山道などを、体の自然な反応を使用した均衡反射によるバランスをとりながら歩くことで、4Mets程度の運動量が得られるので1時間程度の歩行で済みます。それどころか、足の裏の接地面は軟らかい土で圧力が吸収され、その上、柔らかな不安定は体のコアを鍛え上げていきます。一生涯使えるインナーマッスルが健康に維持されます。

しかしながら、街に住んでいるとなかなか1時間も山道を歩くことなどできません。

しかし、太極拳はそれ以上の効果を出すことができる運動なのです。軽い太極拳で4Mets程度とされています。

ただ、公民館の板張りの間で行ったり、公園で型にはめられた安全域(膝を爪先より前に出さないなど)で動いているのなら、ラジオ体操の方が安全で効果もあります。

太極拳は、一時間程度を途切れることが無く行える套路を、朝の公園で朝日に当たりながら行うのであれば、とてもいい運動になります。朝日に当たると17時間後には睡眠のホルモンがこんこんと出て、自然と眠りにもつけます。

武当山の太極拳は115式ほどを1時間ほどかけて行います。現在は85式が一般的ですので、ほぼ同じように武当山で行われていた古式の基本動作を取り入れて行えます。現在普及している太極拳の動きは、国民の健康体操として制定されたもので、効果よりも安全に主体が置かれていますので、体操程度の効果しかありません。武道としての動きは運動としての効果を最大限に引き出しますが、同時に武道の基本を会得していないで行うと、身体に支障が出るのがあたりまえです。それをそのまま、現在の太極拳体操に取り入れたのであれば、ここまで太極拳は手軽な体操として普及はしなかったでしょう。

しかし、それは実は本末転倒なのです。基本の動きはとても簡単で、まずそれを会得してから古式の太極拳を行えばいいのです。

歩き方も、実は大切な基本があるぐらいですから、むやみに歩くよりも、歩き方の基本をマスターしてから歩かないといけません。太極拳も同じです。最初から、安全域で行う太極拳の基本をマスターしても、山を歩くのと同じように複雑な均衡反射を使用する太極拳には通用しません。ですから、近代の普及太極拳は安全域の体操として制定されたのです。

太極拳が体にいいなどは、諸刃の剣と思ってください。多くの武道家に怪我や故障、心身の病が多いことは、社会を見ていれば明らかです。かといって、歩道を一時間歩いたり、室内や、均衡反射の必要ない太極拳をしていても、ついその域を超えて心身を壊すことになるだけです。

一日に85式の古式太極拳を、40分から1時間程度行われることをみなさんに強くお勧めします。

身体活動量が多い者や、運動をよく行っている者は、総死亡、虚血性心疾患、高血圧、糖尿病、肥満、骨粗鬆症、結腸がんなどの罹患率や死亡率が低いこと、また、身体活動や運動が、メンタルヘルスや生活の質の改善に効果をもたらすことが認められている。更に高齢者においても歩行など日常生活における身体活動が、寝たきりや死亡を減少させる効果のあることが示されている1,2,4,5)。

(抜粋)身体活動量と死亡率などとの関連をみた疫学的研究の結果6)からは、「1日1万歩」の歩数を確保することが理想と考えられる(注)。
(注)1日1万歩の根拠
海外の文献から週当たり2000kcal(1日当たり約300kcal)以上のエネルギー消費に相当する身体活動が推奨されている6)。歩行時のエネルギー消費量を求めるためのアメリカスポーツ医学協会が提示する式を用いて、体重60kgの者が、時速4km(分速70m)、歩幅70cm、で10分歩く(700m、1000歩)場合を計算すると、消費エネルギーは30kcalとなる。つまり1日当たり300kcalのエネルギー消費は、1万歩に相当する。
歩行時のエネルギー消費量を求めるためのアメリカスポーツ医学協会が提示する式11)
水平歩行時の推定酸素摂取量(ml/kg/分)=安静時酸素摂取量(3.5ml/kg/分)+0.1×分速(m/分)
この式によれば、体重60kgの者が、分速70mで10分間歩くと、6300mlの酸素を摂取することとなる。これに「酸素1リットル当たりのエネルギー消費量=5kcal」の関係を当てはめると、約30kcalのエネルギー消費量に相当することが求められる。

引用元: 身体活動・運動|厚生労働省.

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