太極拳は努力しない。

山で遊び出す子ども達はとても元気です。山の中を走り回っている内に、色々なことを忘れて、ただ無邪気に遊び回っています。

そんな子ども達の、足下や手の動き、身体の動きを細かく観察していると、驚くような巧みな高度な動きで、山を駆け上り、飛び降り、ぶつかり合っています。

これは何でしょうか?努力のたまものでしょうか?

実は、これが太極拳が求めているところなのです。

確かに努力も大切でしょうが、努力したことを積み重ね、その成熟したものに頼り切ることが果たして全てでしょうか?… 続きを読む

太極拳は、不老長寿に役立つ医武同源

太極拳は、不老長寿に役立つと一般的に考えられています。

健康にいいというだけの理由ではなく、太極拳の運動のしくみが,人間の根幹部分の生理を使うところから、現実的に若返り,病気から遠ざかり元気になり、又事故や怪我を未然に防げる危険を察知して防衛する本能的な能力をより思い出して練るところにあります。

例えば、心と健康の関係にしても、副交感神経を優位にして,穏やかなストレスに強い心身を育て、放松というとらわれのない根幹的な人間の心の太極拳の意で、そのまま精神や身体が動くように、繰り返し毎日運動します。… 続きを読む

太極拳の源流

太極拳は少林寺の内家で修行されていた宗門の行で、世に出て長拳となりスポーツ化されました。記録はインダス文明の時から発展した、カラリパヤットが原型と言われています。その内家の本質を維持するために、武当山などの道教の寺院内家で宗門修行されていて、攻防理論などは道教の太極理論と全く一致しているので太極拳と名付けられました。そして、禁武政策でこの強烈な武術は完全に骨を抜かれて、新たに制定又は伝統とされ、全く武術要素のない、積極的に武術になり得ないものとして再生されました。それが今普及している太極拳です。現在の太極拳の多くの老師は禁武政策の後に生まれた人ばかりです。… 続きを読む

点穴術

良く映画などで、敵の首をゴギッと回して、絶命させる技があります。

実際にやってみると分かりますが、(★★やってはいけません。★★ ゆっくりやっても首が捻挫するなど大変なことになります。ちゃんとした安全な練習方法があります)

そんな簡単にできるものではありません。相手の体がついてきます。

勁道は手揮琵琶です。

前から相手の頭を纒糸勁で抱き込むようにして、縮勁(しゅくけい:体を縮める時に生じる勁道)で耳の方へ両手の指先に気を送り、滑らしていくと、耳たぶの下のあごの骨の外側に、中指(他のどの指でもいいが、中指が自然)が自然と引っかかる。(ここまでの練習は、友人などを相手にすると、面白いようにうまくできるが、套路などで纒糸勁や、縮勁を練っておかないと、自然とは出来無い。)… 続きを読む

武術の動きをそのまま残す。

套路を演じるときは、武術の大切なところを表現するために、発勁を発するときの細かな動きを修練するため、ゆっくりと動く時には膝をつま先より前に出します。
一般的に日本で普及している健康太極拳とこの一部分をとったとしても違うのです。
膝がつま先よりも前に出るのは、発勁の時の纏糸勁の軸の回転の慣性を利用した、運動力学の新たな考えでもあります。
いま、古式太極拳は健康維持としても国連のWHOなどにも公表されたように見直されています。
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太極拳の套路はゆっくり行う。

太極拳の套路はゆっくり行う。(想念太極拳・瞑想太極拳)

太極拳は陰陽が離れず、ずっと気によって連綿とつながっている。

ゆっくりやればやるほど、気を連綿と維持するのが難しい。

実戦においてその気の途切れが、隙となる。また技が崩れるところである。

相手のスピードがゆっくりに変化したとき、そのゆっくりと動くところでの気の維持ができなければ、相手に勢を委ねてしまう。要は相手の勢によってこちらが制御されるのである。… 続きを読む

逆腹式呼吸の練習方法

逆腹式呼吸(背式)・・腹式呼吸・胸式と違います。逆腹式呼吸の仙骨に意識を集中するやり方です。

まず、胆式の練習・この呼吸法の練習方法として胆式というのをやります。逆腹式呼吸という武術ならではのすごく優れた呼吸法です。呼吸で一定の腹圧を作る訓練です。

吸気の練習と漏気の練習

①足を閉じてゆっくりと手のひらを上向きに翻しながら脇の下まで手のひらを持ってきます。ここまで息を吸う動作です。

逆腹式呼吸ですが、肺を膨らませるイメージではなく、横隔膜をおなかに下げていきながら胸郭を広げる感じです。おなかがぎゅーと圧縮され、おなかの裏側背中に圧力がかかります。おなかの圧力が増します。呼吸を意識するよりも動きと呼吸が一致し、丹田が小さく縮むイメージを持ってください。深呼吸と同じですが、肺を広げるのではなく、横隔膜を下げ、胸郭を広げます。平均3㍑はあるといわれる予備吸気です。… 続きを読む

太極拳では膝を壊す人が多いですが、膝を壊さず瞑想太極拳まで至るにはどうすればいいですか。

メールでご質問いただきました。ありがとうございました。

もともと太極拳の動きは、基本をしっかりしていないと膝を壊すのは当然の動きなんです。その他の武道も同じだと思います。

日本で普及している太極拳は、お年寄りでもすぐに始めることが出来る運動として普及しています。

しかし、基礎的な武道としての動きの基本を修練していないと、太極拳の高度な動きは当然、膝だけでなく、腰や首などの関節部分を痛めるのです。

そこで、制定太極拳は、その痛めることのない安全な範囲で動けるように制定されたものです。けが人が続出したりすると、もちろん普及もままなりません。

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太極拳の楊式は、実際に使えない。これはとんでもない間違いです。

今一般に普及している太極拳は、攻防を目的にしたものではない、ただそれだけのことです。

楊式は楊無敵と言われたほどの理想的な攻防術です。しかし、それを極めるには、武道としての太極拳、すなわち、道が必要なのです。太極拳は道教の道の教えから名付けられています。しかしそんな難しいことはさておいて、簡単に自然で、無為すなわち故意ではない自然体であるときに使える武術なのです。

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逆腹式呼吸と発勁

太極拳を練習する時、その呼吸は深呼吸(気沈丹田の状態)です。 含胸による深呼吸とは、、、息を吸うときに下腹部は締まり、吐くときに弛む⇒これは、気功療法の逆複式呼吸と同じです。含胸が正しく出来ている(含胸は、固定された形ではなく、動作につれて変化します)と、横隔膜は上下に動くことが可能になります。横隔膜の収縮によって、内臓はマッサージを受けている状態になるので、血液循環が良くなり健康に役立ちます。

体の機能を最大限に使う太極拳の発勁の時の呼吸は、他の武道と違ってリラックスして発するのですが、下記の横隔膜と呼吸の特性を見れば完全に理にかなっていていることがわかります。… 続きを読む