歴史4:王師が楊式太極拳を武当山で修行

楊家太極拳の楊露禅は1840年ごろ、40才を過ぎて北京で王朝の武術指南役となりますが、優雅な生活の長い王朝の中では、武術のような鍛錬を好むものは少なく、彼自身も思う存分練習もできないため、絶えず武当山へ修行のためと称して入山していました。

武当山の太極拳法(武当派太極拳)の套路は多種多様有り複雑ですが、楊露禅は貴族達に教えるために108式を採用または整理し、(同時期に武当山でも武当太極拳として108式を套路としてよく行っており、現在も武当山で伝承されています。武当山と楊露禅は同じ套路をこの時点では行っていたことは事実です。)そしてその套路は子らに受け継がれ楊澄甫が85式の大架式を整理して、貴族達でも練習を楽しめる套路として王朝や貴族に教えていました。… 続きを読む

太極拳は基本のみを反復練習する

太極拳とは基本の基本の勢という勢いを反復練習する武道です。

勢はもともと人間が備えている先天の理であり、人間であれば全ての人が備えているものです。そして人間は動物であり、生き物であり、森羅万象の一部であると深めていくことで、もっと基本的な勢を知るのですが、それが太極であるということで太極拳なのです。

太極は陰と陽が混沌としており、分かれ目がない状態のことです。

そのような万物が持つ性質を思い出して活かしていこうとする武道です。… 続きを読む

武道としての太極拳の変化

現在の中国における武術も、日本での武術もそうですが、武道を習う人に対して、武道が本来の武術と同じような要求を続けていくとしたら、武術を学びたいという人は減少せざるを得ないと言うことはどの武道家も知っています。
そこで、ずいぶん昔から、武道である太極拳はその武術自体を大きく変化してきました。
その理由は、本物の武術を追求するには長い時間の毎日の練習と、良い師が必要になるわけですが、現代人は余りにも忙しいうえに、身近なところに良い師がいるということは難しく、武術を残していくという手段としては、武術自体を変化させるのが良いと考えたのです。すなわちパッケージ化です。パッケージ化とは套路の型のように一つの型を定型化することです。
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太極拳では膝を壊す人が多いですが、膝を壊さず瞑想太極拳まで至るにはどうすればいいですか。

メールでご質問いただきました。ありがとうございました。

もともと太極拳の動きは、基本をしっかりしていないと膝を壊すのは当然の動きなんです。その他の武道も同じだと思います。

日本で普及している太極拳は、お年寄りでもすぐに始めることが出来る運動として普及しています。

しかし、基礎的な武道としての動きの基本を修練していないと、太極拳の高度な動きは当然、膝だけでなく、腰や首などの関節部分を痛めるのです。

そこで、制定太極拳は、その痛めることのない安全な範囲で動けるように制定されたものです。けが人が続出したりすると、もちろん普及もままなりません。

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速い動きの練習は必要ですか?

太極拳は套路や散手などでゆっくり練りますが、その密度がバネになって、驚くほど速い動きが出来るようになります。
自然の理を利用して動く太極拳は、考えるよりも早く動きます。
ゆっくり動くのはその考えると言うよりも,深いところにある動きを見つめる意味もあります。
本当の達人はとてもとてもゆっくり套路をやります。
24式でしたら、1時間などざらです。
しかし動くと、当たり前のようにすっと動きます。考えないからです。
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