武道としての太極拳の変化

現在の中国における武術も、日本での武術もそうですが、武道を習う人に対して、武道が本来の武術と同じような要求を続けていくとしたら、武術を学びたいという人は減少せざるを得ないと言うことはどの武道家も知っています。
そこで、ずいぶん昔から、武道である太極拳はその武術自体を大きく変化してきました。
その理由は、本物の武術を追求するには長い時間の毎日の練習と、良い師が必要になるわけですが、現代人は余りにも忙しいうえに、身近なところに良い師がいるということは難しく、武術を残していくという手段としては、武術自体を変化させるのが良いと考えたのです。すなわちパッケージ化です。パッケージ化とは套路の型のように一つの型を定型化することです。
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火事場のくそ力を思い出して備える。

現代人は、無意識で生まれる力(勁)、例えば、親が子を助けるときに出るような、又は火事場のくそ力のような力、それが普段から自然と備わっていません。
都会に住む人はさらにさらにその力が備わっていません。

農家や山で仕事をする人,酪農などをする人は、都会人と比べると無意識の力を絶えず使っています。都会に住む人とそのような人とは、力の出し方の違いが顕著に表れます。都会にすむ成人男性のほうが力がない,農家で働く女性よりも力がないときもあります。… 続きを読む

WHO (世界保健機関)は太極拳の医学的な効用に注目

WHO (世界保健機関)は太極拳の医学的な効用に注目しているのは、太極拳をされている方は皆さんご存じです。

それは、WHO(世界保健機関)のジュネーブ本部が出版した、伝統医学を紹介する世界伝統医学大全[Traditional Medicine and Health care Corverage]という本で、太極拳を伝統医学の一つとして紹介しているからです。又、最近では、心臓強化運動の一つとして取り上げており、太極拳が心臓と肺機能に対して有益であるということを正式に公表もしています。太極拳でも20分以上続けることの出来る長い套路が有効とされているので、一般の24式では少し短いかもしれません。(古式でやるとゆっくりやるので、大丈夫です)… 続きを読む

勘とは?

勘とは、人間のありにままにある優れた能力です。

俗に第六感と言われるこの感覚を心身一如(心と体が一致して)で使えるように養うことができます。

勘は、空間(例えば、周りからの影響)や時間(例えば、急いでいたり、ゆったりしていたり)、五感(心身が感じる色々な感覚)にとらわれない無為自然の感覚です。

その勘を技の中で経験して養うのです。 勘と技が一致したときは、神(心)気・精(体)が一致します。

瞬間の機(チャンスの元みたいなもの)を知り、勢(動きの起こりみたいなもの)を発します。… 続きを読む

点穴術

良く映画などで、敵の首をゴギッと回して、絶命させる技があります。

実際にやってみると分かりますが、(★★やってはいけません。★★ ゆっくりやっても首が捻挫するなど大変なことになります。ちゃんとした安全な練習方法があります)

そんな簡単にできるものではありません。相手の体がついてきます。

勁道は手揮琵琶です。

前から相手の頭を纒糸勁で抱き込むようにして、縮勁(しゅくけい:体を縮める時に生じる勁道)で耳の方へ両手の指先に気を送り、滑らしていくと、耳たぶの下のあごの骨の外側に、中指(他のどの指でもいいが、中指が自然)が自然と引っかかる。(ここまでの練習は、友人などを相手にすると、面白いようにうまくできるが、套路などで纒糸勁や、縮勁を練っておかないと、自然とは出来無い。)… 続きを読む

太極拳で病気などの治療になりますか?

私は若い頃重度の自律神経失調症を私の太極拳の先生に、集中的な山ごもり太極拳や頭推按という頭への気功術で完全に治していただきました。

未成年の頃は暴走族で、事故に何度も合い、プロレスやけんかで痛めた体、酒とたばこと不摂生でがたがたになった、神経と体、低気圧が来る前はぴたりと当てる天才でした。全て太極拳で調整することが出来ました。

今は、少々のねんざや、筋違いは1回の套路で治します。

私は他の武道にもたまに参加していますが、ほとんどの人が腰や膝などを壊しています。プロレスもそうでした。多くの武道家とも知り合いがいますが、ほとんどが腰や膝を痛めています。  … 続きを読む

自然の動きが最初からできるというのと、出来ないというのは どういう違いなんでしょうね。 もしかして、その人の性格や生い立ちも関係してくるのでしょうか?

もちろん過去も未来もここもあそこも全て関係していますが、今この瞬間にその全てをどの様に選択しているかだけで、違ってきます。

先天の気での選択か、後天の気での選択かということです。

もっと平たく言うと、すごくありふれた言葉ですが、これが基本です。

愛か不安かです。

愛は全てを受け容れることです。不安は受け容れないことです。(色々な概念がありますが、ここではこう言っておきます)

このどちらも、自分だけで出来ることであり、全く自分以外は関係有りません。完全なる主観性といいます。… 続きを読む

太極拳の身の動きが自然体として馴染むまでにどのくらいの期間を目安にしたらいいのですか?

型を覚えるには集中すれば一日でも覚えることが出来ます。

自然体としてなじむのは30年やっている先生でも出来ていない人がいます。 最初を間違えているからです。

ところが最初から自然体としてなじむ人がいます。

要は、太極拳の十三勢行功心解の一番最初にもあるように「以心行氣」直訳すると心を持って気を運ぶ、が大切です。

心が自然でないと、自然な動きには一生なりません。

心が自然とはありのままと言うことですが、太極拳では先天の気といいます。… 続きを読む

ごくせんの仲間由紀恵のような拳法って本当に使えるんですか?

ごくせんの仲間由紀恵のような拳法って本当に使えるんですか?

YouTubeの動画を見た人から、こんな質問がありました。

あの動きは内家拳のように思います。

内家拳は平常心、副交感神経での動きが最も大切です。

そこから考えると、平常心と、生死を超えても守りたいものがあるときには、使えます。

太極拳は、この様な攻撃にはこの技というものはありません。

そんな難しいことをいちいち考えていては、山ほどその技術を覚えないといけません。又、いざとなるとそんな難しいことは出来ません。… 続きを読む

人間が人間になる以前に持っていた脳の中枢「脳幹」別名爬虫類の脳にそのDNAがたたみこまれています。それを蘇らせることが、脳の覚醒であり、そのために瞑想や太極拳をしている、といえるのではないでしょうか。

そのとおりです。

脳幹の周辺にある大脳辺縁系は、本能や感情と深く関係します。やる気などもここです。脳幹が活性すると、脳幹にある純粋意識がこの本能や感情に揺らぎを起こします。ここに生き生きとした純粋な快感が生まれます。

脳幹にあるDNAに薫習された情報、もっと深くにある、人間が存在した後もその前のビックバーンが始まった揺らぎからの情報も、あらゆるキーを解かれ開放されたとき、人間は万物と完全に一体化して生きることが出来ます。… 続きを読む