太極拳のクィックモーション

buto5太極拳の武道練習では、あらかじめ、このような攻撃に対して、このような技をと決めて行う招式対錬を行うので、つい、相手の技がまだ勁道を走っていないのに、あらかじめ動いてしまい、お約束ごとのように技を掛け合うことがあるが、それを戒める。
招式練習は、このような技として、技を練習するのでは無く、その勢を練習する。従って、攻撃される側が勁道が極まる前に動いたなら、攻撃する側はその相手の場所に向かって勁を発すればいいのであり、攻撃される側の防御は、もうすでに動いているので、その勢は見破られ、攻撃をよけることができない。これは当たり前である。… 続きを読む

股関節を内外に円転する歩法

武当派の楊式太極拳の源流を遡ってみると、武当太極拳があります。

武当太極拳から楊式に変化していった当事の套路の歩法には、ほとんどが、武当太極拳にある擺歩(はいほ)という歩法が使用されています。雲手などは套路に何度も出てくるのですが、側行歩においては、右は地震脚と、左は擺歩による進歩の練習でした。

現代太極拳の套路では、見受けたことがありません。

もちろん王流では、古式をそのまま大架式として練習しています。小架式にしても側行歩は擺歩を含んでいます。… 続きを読む

護身の基本の基本

武器を持とうが、拳銃を持とうが、いくら筋肉をつけようが、巧みな術も精神力もつけようが護身なんてものは簡単にできません。

まず護身の基本の基本は心理にあります。

欧米ではそれが当たり前であり、そのためのプログラムが豊富です。

まず、セルフエスティームを高める、すなわち自らを知り尽くしその尊い自分を思い出すことです。
ですから護身術は生まれたときから、始まっているのです。大人になってからもそれを高める方法もあります。まず、これがとても大切です。これを高めるというのは最も大切な護身術の基盤です。… 続きを読む

楽観的に

楽観的と悲観的という言葉があります。相反するものです。

経験に対して、どのように観るかと言うことです。

経験はとてつもない情報を含むものです。

その経験をどう解釈するか。どう認識するかで全てのことは大きく変わってきます。

太極拳であろうが、人生の何事もその認識が何もかも変えていくのです。

例えば、経験したことが失敗であると感じたとします。太極拳なら技が流れるときです。
その原因を自分の内的なことに有ると認識するか、または外的なことであると認識するか?… 続きを読む

石の上にも三年

石の上にも三年。ことわざです。

なんでもそうですが、3年もやれば必ず名人になれます。

これは人間の身体の生理成長(新陳代謝)理論と、脳生理学の運動野や側頭葉の記憶メカニズムでも明かです。

しかし、ここが大事なところです。「石の上にも。」ということです。

冷たい石の上でも3年も座りつづけていれば暖まってくるということです。

同じところに座り続けていないと,絶対に暖まりません。

太極拳経では入り口で間違えると、全く違うところに行ってしまうと説いています。… 続きを読む

快拳による練功

太極拳は体の中心部の発動、すなわち呼吸筋やバランス筋の発動を発勁点まで伝えていく、勢と勁道で成り立っています。それを発勁と言います。
その発動を発勁点まで伝えていくのは、無為自然な心意すなわち、意で動くエネルギーの働きである気です。
そこで太極拳は、その発動は沾粘勁という膨らんだり縮んだりする、まるで水が盛り上がっては沈むような動きと、纏糸勁というねじれたり弛んだりする動きが、X軸とY軸の関係で四正、四隅、そして方角である五行を生みだし、太極という無限の動きを生み出しているのです。… 続きを読む

海底針と双龍拉椀

海底針は太極拳における裏勢(りせい)=(体の内側を使って抱き込むような勢)を習得する重要な招式です。

双龍拉椀(そうりゅうらわん)は海底針の示意であり、相手の手首の内側を双龍の上あごで、外側を大小の拳頭を下あごでひしぎ噛んで上あごを裏勢にもとづき内側に引き込み、上あごを前側へ押し噛んでいく手法です。

この裏勢がないと、以上の拉勁は発勁とはならないのであり、重要な練習方法となります。

海底針の裏勢は多くの擒拿術に含まれますが、この双龍拉椀は最も基本的な示意なので、単法として相対で練習をします。… 続きを読む

太極拳の四隅手における板と棒

太極拳は円の動きで動くと一般では理解されています。確かに十三勢の四正手(しせいしゅ)は円と曲の勢です。

ところが四隅手(しぐうしゅ)は直と伸の勢であり、後は五行の方角で十三勢となっているのです。

四正手は太極拳を聞いたことがある人なら円の柔らかな動きということで理解はできるでしょうが、四隅手は理解しにくいものです。

四正手も四隅手も五行も、相対の武道練習において詳しく学びますが、四隅手の勢を実感できるのは特に拳脚の相対練習になります。… 続きを読む

太極拳の龍の勢と龍脈

武当派の楊式太極拳では龍の勢(沾粘纏糸の勢)を多用します。

双龍採扌厥(そうりゅうさいけつ)・双龍大扌履(そうりゅうだいり)・双龍斜飛(そうりゅうしゃひ)双龍撇身(そうりゅうへいしん)大纏手(だいてんしゅ)や小纏手(しょうてんしゅ)昇龍纏腕(しょうりゅうてんわん)などの太極拳の擒拿術は、龍の勢を実感するのにとても役立ちます。

とても大切なことですが、龍の勢は龍脈を通ると言うことです。龍脈は聴勁により感じ取り、入り口からしか入ることができません。そして出口からでることにより、龍の勢による発勁は完成します。… 続きを読む

太極拳の妙技 2を限りなく1にする

武道において、相手の攻撃を受けて攻撃するという攻防について述べます。

攻防において、相手の攻撃を受けて反撃する。

一般の武道では、相手が息を吐いて撃ってくれば、(実)こちらも息を吐いて受ける(実)というものが多いようです。

それから息を吸い込み、又吐いて反撃する。受け側は、吸って(吐く前に吸っているから)、吐いて、また吸って吐くという4呼吸と考えることとします。

この場合は双方が実、双方が虚、双方が実と一致しているので、お互いに効果的な発勁は行えません。… 続きを読む