例えば、相手が顔面の急所人中に、強烈な冲拳による捶を打ってきます。(ストレート)
単鞭の転動の勢にて鬆腰を用い、相手の捶に向かいながら、相手の勁道を相手側に向かいながら外します。
その捶の前進力に転動の勢の右手を相手の推進方向に和合し、相手の推進力をより増します。(まず和合です。武当派太極拳は全てこの理法です。沾粘勁となります。)走勁です。
相手は、和合され、より前に進んでしまいます。
ここでこちらは単鞭の開合勁です。
相手の捶は和合によって飽和を迎え、戻ろうとします。(反射神経の逆利用)
こちらの右手の鈎手は走勁から沈勁を起こします。
相手の戻ろうとする強い力は、急激にすとんと止まり、相手は前に崩れます。相手の力が強い程そうなります。(運動神経の逆利用)すなわちこれも和合。 採勢と言います。
非力な女性でも、正しい単鞭をリラックスして発すだけです。
そこに左手の単鞭の推掌による発勁は、三合や四合の急所を突き抜け、殺法にすると、相手の首を損傷します。前に崩れてきた相手の頭部側面に開合勁が発せられます。
前に倒れる力が強ければ強いほど、すなわち、相手の突きが強ければ強いほど、相手のダメージが大きくなります。
こちらはリラックスして、無為自然の基本の動きから生まれる、均衡反射の動きのみを行うだけです。
これが、自然に出来るようになるよう、繰り返し套路などで練習します。
基本の繰り返しです。その先にしか極意はありません。
そこからは高探馬や、白鶴亮翅を使い、投げたり、固めたり自由自在です。
無数にある用法の一つです。 しかし全て相手に和合して制す。
陰陽相済。これだけです。
そこからは、ぜひご体験ください。