気力が湧かないままで、どうぞ。


自殺大国日本において、最近特に女性の自殺者が増えてきています。(2012年6月8日政府の自殺対策白書)そのもっとも多くを占める原因は健康問題で全体の過半数になっています。
これらは、これといった病気ではなく、何となく活力が低下し、疲れやすさすなわち易疲労があり、今まで楽しかったことに興味がなくなってきたり(アンヘドニア)、そして何か鬱々するというものです。

そして、なかなか元気になれないというところから、食欲がなくなったり、イライラしたり、風邪をひいたような症状や、腰や膝の痛みなどと発展していき、何らかの健康に問題があるのではと感じるのです。

そして、悩みを一人で背負い込んでしまったりしてより落ち込んでしまいます。

そうなってくると、ひどい不安を招き、それらを解消するために仕事やネット。ゲーム、ギャンブルなどにのめり込んだり、アルコールを過剰摂取したり、違和感や焦りやイライラが強くなり、もうどうしようもなくなります。

そして、心気的とらわれが強くなり、焦燥感が激しくなってくると、もう誰の声も耳に入らなくなってきます。ほぼ心気症(ヒポコンドリー=hypochondria)の状態です。

これらがうつ病に移行するか、また、心身の重要な病気になるかは時間の問題です。

また、ストレスですが、MRIを使って行なった研究では、強いストレス状況下で感情や記憶の消去をつかさどる脳の部位が委縮していたことが判明したそうです。ストレスはこのような生理的な心身作用にも大きな影響を与えますから、ストレスをためておくことは、よりそれらを進行させ、または原因にもなると言うことです。

その前に、やれることがあるはずですが、病院に行くほどでもなく、漢方薬を飲もうとも、何かスポーツをやろうが、友達と会おうとも気力が湧いてきません。

 それならいっそ気力が湧いてこないまま、根本的な生命力を呼び起こす方法があります。

これが、武当派の太極拳に伝わる内丹術です。
内丹術は、完全にリラックスした状態で先天の気という生命力の気を呼び起こしていきます。
その生命力の気に押し上げられることで自然と人間社会で生きていくための気力を湧き起こしていく方法です。

太極拳は、完全な放鬆状態から、発勁ができる武道です。
放鬆状態はいうなれば、気を沈めている状態です。その状態から気を立ち上げるという技術が完成されている希な武道です。
そのために、様々な修養方法が長い歴史の中で伝承されています。
大切なことは、気力が湧いてこないのであれば、同じように気を沈めている仲間と一緒にいながら内丹術を行い、生命力自体の気を高めることです。太極拳では生命力自体の気を先天の気といいます。

後は、先天の気に押し上げられ、自然と後天的な気が起き上がってきます。後天的な気を引き上げようと無理をすればするほど、結果は悲惨なものになりがちです。
ある程度生命力が持ち上がってくれば、自分自身の「生き方」を広い視野で考え直してみるのも良いかもしれません。太極思想や道「タオ」が考え直すためのヒントにもなるかも知れません。

このように私は、自立厚生の立場から、太極拳の内丹術を積極的に提供していくべきと感じました。

私は、夕食後は妻と二人で内丹術を生活に取り入れ、そのまままどろみながら、まるで胡蝶の夢(夢か現実かわからない)のような世界を体験しながら、ベッドに入れば、入ったのも忘れるぐらいの数秒で寝てしまい、あっという間に朝を迎えています。

そこで、夜は武道練習をやめていたのですが、大阪や京都で実施していた太極拳の内丹術と瞑想を行う夜間クラスを復活することとしました。当事は瞑想太極拳クラスとして行っていました。

夜間クラスでは、一日に一つくらいは套路の型を存思(そんし)という瞑想でとても緩やかにリラックスして行いますから、楊式太極拳の套路も身につきます。生命力が立ち上がり、後天的な気も元気になれば、本格的に太極拳にも取り組んで下さい。強固な心身が呼び戻されます。

それでは、夜間クラス。ぜひ多くの方のご参加をお待ちしています。

呼吸は生きる。息(いき)る。生命の要。

最近の話題作映画「ハプニング」、日本でのメインフレーズは「人類は滅びたいのか」。

この映画の中では、植物が何らかの有害物質を空気中に放出し、人間がどんどんおかしくなり死んでいきます。この映画が提供しようとしているメッセージは人類と植物の関係から、人間の生命の営みである呼吸に深く関わっていくことで、生命の根幹をも脅かすかも知れない大気という空間に目を向けたもののように思います。

もともと人間にとって、大気中になくてはならない酸素は地球誕生時の大気には存在していませんでした。しかし、植物のような光合成を行うものが出現したことで大気には徐々に酸素が蓄積されていきました。まるで植物が、地球を制覇しようとするような勢いだったという人もいます。

しかし、このように、本来、酸素は強い酸化力をもった毒性の強い気体でしたが、一部の生物は酸素を利用した酸化過程を通じて大きなエネルギーを利用できるようになったのでした。これはマイナスをプラスに転換するとも、危険を克服したとも言える劇的な事実でした。そして生物と植物の共存が成しえたのです。現在、酸素を利用した代謝のできる生物は細胞内のミトコンドリアにより炭水化物を酸化し、最終産物として二酸化炭素 (CO2) と水を排出します。これが呼吸です。この様な共存と調和が生み出したシステムでもあるのです。

酸素という毒物を、体内にいるミトコンドリアが代謝し、無害にする上、エネルギーをも生み出すのです。排出される二酸化炭素は、植物によって光合成に利用され、酸素を生み出すのです。これで循環という自然代謝できあがるのですが、そのバランスが壊れつつあるのが現状です。

同じく、人間の体内でも同じ事が起こりえるのです。ミトコンドリアの代謝力が弱まると、酸素が余分になり活性酸素が生まれたり、様々な障害が起こります。酸素の毒性が体内を駆けめぐります。呼吸では糖類は二酸化炭素 (CO2) および水にまで分解され、その過程でエネルギーの元がミトコンドリアで生産されます。

この様な呼吸を重要と捉え、東洋では昔から、吐納法や気功法と言われる呼吸術がありました。

腸及び周辺にある組織の温度を上げて活性化させ、様々なホルモンを生みだし、ミトコンドリアの代謝を正常にして、本来の正常な呼吸による代謝を循環させようというのがねらいです。

逆腹式呼吸の太極拳の吐納法

この逆腹式呼吸という武術ならではのすごく優れた呼吸法は、呼吸で一定の腹圧を作る訓練です。王流では胆式という型で行います。

吸気

まず、足を閉じて立ちゆっくりと手のひらを上向きに翻しながら脇の下まで手のひらを持ってきます。ここまで息を吸う動作です。逆腹式呼吸ですが、肺を膨らませるイメージではなく、横隔膜をおなかに下げていきながら胸郭を広げる感じです。おなかがぎゅーと圧縮され、おなかの裏側背中に圧力がかかります。おなかの圧力が増します。呼吸を意識するよりも動きと呼吸が一致し、丹田(臍下のおなか)が小さく縮むイメージを持ってください。深呼吸と同じですが、肺を広げるのではなく、横隔膜を下げ、胸郭を広げます。平均3ℓはあるといわれる予備吸気です。脇の下まで吸いきったら、手をもう少し外に翻しながら肩を上げず後ろへ引き、よりおなかに圧力を加え胸郭を最大に広げてください。あくまで動きにつられて吸気します。深呼吸よりも深い吸気になります。このより深い深呼吸は体の末梢のミトコンドリアまで酸素を送り届け、エネルギーとなり、体の生体活動を活性化します。その上翻したときに次の排気のための弾性すなわち、均衡反射(ニュートラルな状態に戻すための反射)を生みます。これが漏気(ろうき)といわれる動作です。

呼気

次により強く通常の基準値に戻ろうとする力 (均衡反射力)を利用して、ゆっくりと長い排気を行います。手を上に向けたまま脇からゆっくりと腰までおろしていきます。横隔膜を緩和させる感じです。医学的には横隔膜は排気の時に緩和してドーム上に上昇し、吸気の時に収縮して下降します。鼻からゆっくりと少しずつはきます。出来るだけ長い方が良いです。そしてウエストのところで吐ききってください。その時におなかが膨らむ感じで丹田の中に大きなエネルギー玉が出来ていくイメージです。腹腔が膨らみ圧力が高まることで胸郭が狭まる感覚です。この時の圧力は小さくなったときの圧力と膨らんだときは同じ圧力を保つようにします。

吐ききったのですが、まだ残気が肺の中に残っています。これを残気を吐けるだけ吐きます。腰にある手を下により一気に下ろして残気を吐きます。この呼吸法で肺の能力は一段とアップします。デトックスという毒素排出に役立ちます。排気は脂肪を燃焼させるので、より深い排気は脂肪の中にためられた毒素も排気と一緒に排出されます。多くはこの残気が肺に滞ることにより血が汚れる原因にもなっていますから、それも改善します。又、すぐに吸気に戻り数回循環して繰り返すと体にみるみる元気が戻ります。(元気になったら止めてください。それ以上は過換気になります)

 

横隔膜の筋肉痛と太極拳

太極拳の動きは、インナーマッスルが司ります。それも呼吸と連動する呼吸筋が主です。その内、バランス筋と連携している特に横隔膜を使用します。

従って太極拳の功夫の過程は、この部分に筋肉痛を伴うのです。

あらゆる呼吸を大切にするインナーマッスルを使用する武道においては、横隔膜の筋肉痛は、一つの鍛錬の目安でもあり、アスリートが自ら鍛え上げたい筋肉に筋肉痛を絶えず覚えるのと同じなのです。

太極拳は呼吸筋を中心に使った武道であるのですから、呼吸筋の筋肉痛なくして、太極拳をやっているとはいえないともいえます。

もちろん套路でも同じですから、85式あたりをやって筋肉痛を覚えないのであれば、套路では呼吸と共に体を動かしていないことになります。そうであればそれは太極拳とはいえません。

弓道や合気道の高手、中にはヨガやコアリズムやベリーダンス、フラメンコのダンサー、能楽師や日本舞踊の家元なども、稽古の後には横隔膜の筋肉痛を訴える人が多いようです。

横隔膜を多く使用する(腹式呼吸)歌手なども、ボイストレーニングや、長いライブの後には、横隔膜の筋肉痛を覚えます。

日本人は昔から緊張しやすいため、いざというときに力を発揮できないといわれ続けていました。その,克服として呼吸に全てを託す武士道の日本武道があり、太極拳も内丹に基づく吐納法でのいざというときの武道的克服で、不動心や平常心で呼吸をいつでも使えるようにしていました。

中国での徒手殺戮術としての太極拳や、日本の剣術における武士道の精神状態は、いつもが戦の前のようなもので、脅えや恐怖を超越した覚悟です。戦場では、追い込まれてときに少しでも脅えや恐怖があれば当然負けてしまいます。追い込まれたその先にある境地に至った時に、その超越したところで神がかりな動きができるのです。

このように、不動心や平常心、すなわち腹が据わるというところに、実は横隔膜を鍛えるということがとても深く関係しているのです。呼吸と腹を結ぶ横隔膜。そしてその腹が据わった動きを背骨を伝えて全身を動かすために、その要である横隔膜を鍛えるのです。修練するものは、現実的実感としての、腹の据わりを知ることになります。

実戦で追い込まれると、急激に腹が据わった状態になり、横隔膜が強く大きく働き、ゆっくりと腹部あたりが圧縮されてきます。息が詰まるような状況であり、景色が変わります。そして、それに耐えうるだけの横隔膜は、いつもどおりなめらかな動きを強く発し始めます。横隔膜は活性化され解放されます。これが腹が据わるという状況です。

姿勢は自然と、顎をひいて直立するような姿勢になり、気管から肺をふくめた部位と横隔膜が機能的に働き、腰で前に進むような歩きになります。まさに能です。古武術やなんば歩きも同じです。声を出す気合いは、横隔膜を強い発声で強く固めるための方法でもありますが、普段から横隔膜を鍛えてゆるやかに固める方が良いのであり、横隔膜を鍛え抜いている高手は緩やかな息づかいで十分です。このあたりも,腹が据わっているという武道家が気合いを発しないで、「ふん」という含み気合いになるところの理由です。

太極拳などの気功における吐納は、吸気で降下した横隔膜を、逆腹式呼吸でリラックスした吸気によりさらに圧下させ、胸腔内圧を陰圧にすることで自然に空気を肺に流入させるものです。胸郭の横径と腹腔容積を能動的に通常よりも圧縮します。この吐納法で套路や、単練、站椿を含む練習をしているならば、横隔膜が筋肉痛になってきます。站椿などが最も顕著であり、圧縮状態をしばらく保持していると一挙に横隔膜に筋肉痛がやってきます。

すなわち横隔膜を站椿などで鍛えておくと、この横隔膜の筋持久力だけ、息を込めることができるのです。この間はいつも腹がすわっており、太極拳では太極の状況であり、日本の武道では隙が無いということです。

横隔膜の圧下と丹田の圧縮を維持するするための吐納法が、横隔膜に持続的な刺激を与えることができます。蓄勁によって横隔膜は収縮していると平たくなっているので、丹田でその平たくなった横隔膜をバンとたたくように息を吐きながら(吐納法で)発勁します。
体の中心が地面に突き刺さっているような感覚で、その発勁が体幹に伝達され、太極拳のドッシリとした回転モーメントなどに、瞬間的なインパクト時にすべての一連の動作が凝縮されて発勁が行われます。発勁は瞬時に凝縮するので、体幹発動という運動機能の最小限の動きさえ有れば十分です。

このように、体幹や深層筋の重要性は,腹が据わっているということなのです。そしてその腹は横隔膜が担っているということを忘れてはなりません。

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太極拳の妙技 2を限りなく1にする

武道において、相手の攻撃を受けて攻撃するという攻防について述べます。

攻防において、相手の攻撃を受けて反撃する。

一般の武道では、相手が息を吐いて撃ってくれば、(実)こちらも息を吐いて受ける(実)というものが多いようです。

それから息を吸い込み、又吐いて反撃する。受け側は、吸って(吐く前に吸っているから)、吐いて、また吸って吐くという4呼吸と考えることとします。

この場合は双方が実、双方が虚、双方が実と一致しているので、お互いに効果的な発勁は行えません。

なぜなら実の時は、身体も防御するだけの緊張をしているので、内部に勁は浸透しにくいからです。

相手が虚であるからこそ、こちらの攻撃が効果的に相手の内部に浸透するのは、武道の常識です。

従って、効果的な技を発するためには、相手の虚を作るための当て身や、何らかの作戦が必要となってくるのです。

または、お互いに実であったとしても効果的な打撃を行うために、双方の実と実の力の優越を、筋肉などの力を増強したり固くしたりして、その力の強い方が相手の実を打ち砕いたり、実と虚の移り変わりの差をスピードで勝り、相手の虚を突くために、スピードを司る筋肉を鍛えていくことに努力するという功夫の修練を行っていくことになります。

功夫はこのように体の外側を鍛えるので、外家拳の性質の一つとして論じられる場合もあるようです。

そこで、太極拳の通常について。

太極拳は、相手が息を吐いて撃ってくれば、(実)こちらも息を吸って受ける(虚)のです。だから太極拳というのであり、これが基本なのです。

それから自然に次の動作として吐いて反撃するのです。吸っているときは蓄勁、吐いているときが発勁です。

この単純な太極理論を武道に発見したのが太極拳法(当事はそう呼ばれていました)であり、道教の僧が創始したのも頷けます。

このように、受け側は、吸って(受けたときに吸って)吐くだけであり、2呼吸と考えることとします。

このように、太極拳は反撃を2呼吸で行えるのです。

そうであるから、相手の動きを受けてから、こちらが動くという、後の先の武道なのです。

このように相手が撃った実の後に、相手は当然に虚に戻りますが、こちらのは受けたときに虚であるので、相手の虚の時に攻撃(実)するのですから、相手は相当なダメージがあり、又、スピードは相手が攻撃を終わらせるのと同時に攻撃を終わらせるのですから、普通の人間の筋力とスピードで十分なのです。ですから老人になっても、ひ弱な女性でも最低限の効果を得ることができ、何も鍛えなくても、力が衰えても、自転車に乗れるように使えるのです。

今までは当たり前の誰でもわかることですが、いよいよ本題です。

実は、太極拳には、その2呼吸を1に近づける吐納技術を用いる技が多くあるのです。

相手が息を吐いて撃ってくれば、(実)こちらも息を吸って受け(虚)る時に、吐納法(丹田呼吸)を使って吸気を圧縮し、その吸気と吐く息を同化させながら反撃するという技術です。

相手は攻撃という実が終わり、虚に戻っていきます。呼吸だけで言うと、相手は息を吐いた後に吸う呼吸が始まると言うことです。

こちらは、相手の攻撃を息を吸って受けて、相手が攻撃を息を吐いて行った後に、息を吸うことを始めるまでに、こちらは息を吐き始めて、相手が実から虚に移り変わる加速に同化して追いかけながら、相手が息を吸い始めて虚になったところにすぐに発勁するのです。

相手は、虚から実に移る間もないだけでなく、実から虚に移る勢いを利用されて、より虚に陥っていくのですから、内部への勁の浸透は加速的で深部までこちらの実が浸透します。

このように、虚の圧縮技術は吐納法という逆腹式呼吸で修練しますが、これは分勁(テイクバック動作の無い発勁)の技術そのものであり、分勁ができるようになると、この技もできるようになります。

分勁はテイクバックをしていないのでは無く、テイクバックを極端に0に近づけているのです。そこで、蓄勁を圧縮して行っているのです。

この技術は套路の起勢などで修練できますが、この勁を悟ると、套路の式全体にある過渡式(普及している一般的な套路には過渡式が無い場合がほとんどです。)などでもいくらでも修練できます。

そうなってくると、あっという間に熟練してきます。

このように太極拳の修練においては、悟るべき多くの事があるのですが、もしそれらを悟らずにして、修行を続けていると、太极拳経の末尾にあるように、最初の少しの間違いは、すぐに何千里もかけ離れてしまう。ということになります。

最初にこのような太極拳の真理を知って、練習をしていれば、套路を練習すればするほど、太極拳が上達します。ですから、武道としての太極拳の修練はとても重要なのです。なぜなら、太極拳は武道だからです。

しかし、武道としての理を経験せずして套路をやり続けていると、どんどん遠くにかけ離れていってしまうのも太極拳です。

王流の套路クラスは、武道としての理を会得した指導者が、武道としての動きでしか構成されていない套路を教えています。一切省いていません。安全域も形も何も制定していません。その代わりに武道の理があるので、套路で思い切りおおらかに動いても、怪我も無くどこも痛めません。それは実証されています。

より武道を極めたければ、武道クラスで相対で武道練習に参加すれば、套路に流れる武道の理がより実戦的に現実的になり、套路の理想がより現実化していきます。

このように武道としての動きでだけで構成された套路であれば、套路だけ行っていても、太極拳の心身の健康効果と、すくなからずの自然な護身能力は呼び戻されます。

武道クラスに参加すれば、套路との相乗効果を生みながら、心身の健康と積極的な護身能力に飛躍的な効果を生みます。

武道クラスも套路クラスも基本は同じですので、太極拳は武道であるということを理解しておくことがとても重要です。

逆腹式呼吸の練習方法

逆腹式呼吸(背式)・・腹式呼吸・胸式と違います。逆腹式呼吸の仙骨に意識を集中するやり方です。

まず、胆式の練習・この呼吸法の練習方法として胆式というのをやります。逆腹式呼吸という武術ならではのすごく優れた呼吸法です。呼吸で一定の腹圧を作る訓練です。

吸気の練習と漏気の練習

①足を閉じてゆっくりと手のひらを上向きに翻しながら脇の下まで手のひらを持ってきます。ここまで息を吸う動作です。

逆腹式呼吸ですが、肺を膨らませるイメージではなく、横隔膜をおなかに下げていきながら胸郭を広げる感じです。おなかがぎゅーと圧縮され、おなかの裏側背中に圧力がかかります。おなかの圧力が増します。呼吸を意識するよりも動きと呼吸が一致し、丹田が小さく縮むイメージを持ってください。深呼吸と同じですが、肺を広げるのではなく、横隔膜を下げ、胸郭を広げます。平均3㍑はあるといわれる予備吸気です。

②脇の下まで吸いきったら、手をもう少し外に翻しながら肩を上げず後ろへ引き、よりおなかに圧力を加え胸郭を最大に広げてください。あくまで動きにつられて吸気します。深呼吸よりも深い吸気になります。 このより深い深呼吸は体の末梢まで酸素を送り届けるエネルギーとなり、体の生体活動を活性化します。その上翻したときに次の排気のための弾性すなわち、均衡反射を生みます。均衡反射は人間のホメオスタシス、完全なる健康の状態に戻る力を呼び戻します。これが漏気(ろうき)といわれる太極拳の無極動作です。ここが武術の呼吸動作といわれる、均衡反射です。

■呼気の練習と漏気の練習

③手を上に向けたまま脇からゆっくりと腰(太極拳の腰は上腹部の柔らかいところです。肺の切れ目)までおろしていきます。横隔膜を緩和させる感じです。 より強く通常の基準値に戻ろうとする力を利用して、排気を始めます。それが、呼吸と共に鋭い動作を生みます。これから、ゆっくりと長い排気を行います。多くの武術でも勘違いされていますが、医学的には横隔膜は排気の時に緩和してドーム上に上昇し、吸気の時に収縮して下降します。鼻からゆっくりと少しずつはきます。出来るだけ長い方が良いです。

④そしてウエストのところで吐ききってください。その時に下腹が膨らむ感じで丹田の中に大きなエネルギーだまが出来ていくイメージです。腹腔が膨らみ圧力が高まることで胸郭が狭まる感覚です。この時の圧力は小さくなったときの圧力と膨らんだときは同じ圧力を保つようにします。

■漏気の説明

⑤手を下にだらんと落として残気を吐いてください。

ここから又漏気を使用します。はいているかはいていないか分からない排気です。実は予備呼気量を含めてここまでで平均1500ml程度しか排気されていません。まだ残気が平均1300ml肺の中に残っています。これを全部はいてしまうと肺はぺしゃんこになりますが、ここでも均衡反射を生むためにこの残気を吐けるだけ吐きます。吐ききったら同じく、均衡反射が生まれ、元の状態に戻ろうとしますそれが次の吸気を生みます。吸気が生まれたら腰に手を裏返して持ってきて、少し翻して吸って、一気に下に落とします。吐ききります。

■まとめ 上に手をあげながら吸い始め、翻して脇の下に持ってきて深呼吸をし、外に手を少しそらして、後ろに引きつけ漏気をもって吸気を行い、一瞬の振り子の錘が最高点で止まるような、実際は止まっていませんが、そんな感覚で次の排気を初めながら、ゆっくりと鼻から息を吐いてください。おなかを膨らませながら圧力を一定にしながら、腰まで手のひらを落として弛緩してください。吐ききったら、もう一度吐いて手のひらを上に上げて普通で吸って、普通で手を下ろしながら吐いて下さい。これが太極拳の呼吸法ですが、呼吸を意識するのではなく、動作によってその呼吸を行います。動作と呼吸は同じです。どちらも筋肉、横隔膜や呼吸筋などのインナーマッスルの運動です。

■逆腹式呼吸を使った発勁・・・咆哮

咆哮は腹式呼吸を使った胆式によって練習します。咆哮は、吐納法にある吐気による発勁です、その蓄勁は納気です。咆哮が出るようになると、その気合いのような吐気により、窓ガラスがびりびりと震えるほどになります。同時に気も発し、相手の心身にダメージを与え、虚を作ることもできます。戦わずににして相手を制す、太極拳の素晴らしい技です。
雷声と呼んでいるところもありますが同じものです。

王樹金老師はお腹が出ていましたが、丹田はふくらむのですか?

丹田は単なる関元穴という仁脈という経絡に属する経穴です。つぼです。 そこが張っても、腹が膨らむことはあり得ません。 丹田が張ると言うことは緊張ですから、経穴の状態は最も悪いと言うことになります。下腹が張るのは、未病状態です。

経穴にエネルギーが溜まると暖かくなります。そして柔らかくなります。ポカポカします。周辺の脂肪は燃焼します。 武術の逆腹式呼吸をしっかりするとお腹はふくれません。 エネルギーは物量でなく、熱量ですからお腹を膨らますことはありません。

王樹金老師は確かにお腹が出ていましたね。糖尿病も患っていたという話しもありますが、真実の程は知りません。

少なくとも、糖尿病などにならない心身を呼び戻すのが内丹術です。

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下丹田とは、東洋医学では関元穴に位置する。単なるつぼと考えれば良い。
丹田とはそもそも、気が集まることを体感する場所である。しかし、そこには関元穴がある。だから東洋的には経穴として考えるのが最も正確であろう。良く巷でいわれているのは、丹田は身体感覚だということである。身体感覚?身体感覚とは、その原因が身体に現れた結果でを感じることであって、その原因ではない。結果のことを感じることが、丹田であるとは全くおかしな話である。

例えば、原子炉では、内部でウランがエネルギーを生んでいる。熱を発している。その熱を感じる、エネルギーを感じる。身体で言うとその感覚がすなわち身体感覚のである。丹田は身体感覚である?ウランとは、原子炉においてエネルギーや熱を感じることであると言っていることと同じである。とんでもない話である。ウランがなければ、原子炉などただの箱である。
ウランは原子炉になくてもエネルギーと熱を発する。ウランそのもの、それがいうなれば丹田である。ウランは熱やエネルギーの田である。丹田は丹というエネルギーの田である。
ウランは原子炉という内にあって、原子炉を活性化する。丹田は下腹部にあって、神経叢などの人体の重要な部分を活性化する。それが体中に気力やエネルギーを与えていく。明確な気の中心である。
丹田はウランとおなじようなものである。そのウランは一定の条件を与えると活性化する。丹田も同じである。

従って、東洋医学では経穴があることがはっきりしているので、東洋医学的説明としてそれで良い。経穴の感覚は事実とその実証であるから、その身体感覚の理由である。
丹田という臓器もなければ、組織もない。
しかしそこには経穴はある。周辺には神経叢もある。筋肉もある。脂肪もある。腸などの臓器もある。

その中で、筋肉はある程度鍛えれば、少しは大きくなるが、固くて締まる。ふくれることはない。

例外は脂肪である。特に下腹部の脂肪は大きくふくれあがる。

丹田を鍛えれば、神経叢や筋肉が活性化し、内熱を発し、脂肪は燃焼する。当たり前である。
太極拳は内筋を使うので、それほど外部の脂肪を燃焼はさせないが、内部脂肪は燃焼する。
従って、医学的には、丹田を鍛えればお腹が出るなど全くの嘘である。人間でなく仙人であるというなら、それでいい。
そういう人はそう言っていれば良いだろう。またそれを信じるも自由である。

しかし、武道を極めているものは、そんなことはあり得ないことは身をもって知っている。

中丹田は、胸の中央にある。そこには胸腺はある。しかし胸は熱くなる。そこには膻中穴がある。気が集まると内部が活性化される。電荷、赤外線実験でも明確に実証されている。その集まる場所は身体感覚においても膻中穴である。実際にそこが中丹田である。唯一有るものであり、中丹田というものを説明できる。何度も言うが、身体感覚はその結果である。

丹田は身体感覚などといっている限りは、気を集める丹田の焦点を知らないだけである。丹田は経穴である。そこに気を集める。身体の動きを駆使して、身体において勁や勢を丹田に集中していく訓練をする。それが武道の修練である。そうして集まったら、その源から全身にエネルギーを発露させる。それが発勁であり、その時の感覚が身体感覚である。身体感覚は小さな子どもでも感じうる。それが丹田であるとは?なんとも言えない不思議な説明である。
そうなると、下腹のどこに?胸のどこに?頭のどこに?そんなふうに聞かれても、漠然と身体感覚であるとうそぶくことになる。
確かに結果として身体感覚であるので、答えにはなっていないのに気付かない。詭弁の極みである。

極めつけは、上丹田である。泥丸という脳の中心である。脳の中心には先祖脳と言われる中枢神経の要がある。経穴の印堂穴である。印堂穴の出入口は眉間にある。経穴を表面だけのホールと捉えるのは、穴というものの基本的構造を知らないだけである。
穴は穴の底までが穴なのである。穴の底にこそ源がある。体表の点は出入口にしか過ぎない。
だから、丹田が単なるつぼだといってしまうと、その表面だけを思い浮かべてしまう。
経穴は人を殺したり麻痺させたり、または、覚醒させたりすることのできる重要な場所なのである。
太極拳などの武道を制するものは、つぼを最も重要視する。経穴が要であることは当たり前である。その主要部分が丹田なのである。それらの場所を点穴すると、人は重大な状態に陥る事は当たり前に知られている。それが証拠である。身体感覚ごときで人命に到るはずがない。経穴であるから人命に関わるのである。
下丹田は関元穴であり、その表面の位置から仙骨の前の底にまで穴がある。身体感覚などといっている場合は、その丹田の活性の結果を感じたに過ぎない。誰でも感じることができる。いちいち言うこともない。当たり前のことである。下腹が熱くなった、気が入った。ほら下腹に丹田があるよというだけで良い。誰でも言えるし、確かにそのどこかにあるから感覚という点では間違いでも無い。しかし丹田はどこにあるの答えではない。
研ぎ澄ましていくと、あらゆる太極拳の武道練習をすると、明確に関元穴が下丹田であることが分かる。
その下丹田の活性が周囲に活性を生み出す。身体感覚として感じることができる。誰でも感じる。
しかし、太極拳家は明確に下丹田を鍛える。内丹に準じ、仙骨に勁を置き、任脈・督脈や衝脈の円転上下する行気を用いて、明確な芯を捉える。それができてこそ、下丹田を鍛えることができる。坐道などが太極拳の源流であるのも、その修行の根源である。
中丹田も、上丹田も同じ。穴の奥深くまで通じる一筋の芯。その活性が周囲に体感を生む。漠然と、大きなくくりで身体感覚を捉えても、その結果をどうするのであろう?そんなまやかしで丹田を捉えている限りは、なにも知り得ることはない。その身体感覚の源は、経穴としてしっかり存在する。

逆腹式呼吸と発勁

太極拳を練習する時、その呼吸は深呼吸(気沈丹田の状態)です。 含胸による深呼吸とは、、、息を吸うときに下腹部は締まり、吐くときに弛む⇒これは、気功療法の逆複式呼吸と同じです。含胸が正しく出来ている(含胸は、固定された形ではなく、動作につれて変化します)と、横隔膜は上下に動くことが可能になります。横隔膜の収縮によって、内臓はマッサージを受けている状態になるので、血液循環が良くなり健康に役立ちます。

体の機能を最大限に使う太極拳の発勁の時の呼吸は、他の武道と違ってリラックスして発するのですが、下記の横隔膜と呼吸の特性を見れば完全に理にかなっていていることがわかります。

太極拳の発勁は、力をいれて相手を打つという一般的な方法と正反対のため、身につけるには正しい修練が必要です。
ただやみくもに今までどおり行ってしまうと、全く逆の力が育ち、遠く太極拳の習得から遠ざかります。
王流を学ぶ皆さんは、よく横隔膜と呼吸と神経系統の関係を理解して、太極拳の発勁を身につけてください。

http://ja.wikipedia.org/wiki/呼吸筋
(ウィキペディアより)
呼吸筋(こきゅうきん, 英語: Muscles of respiration)は、呼吸を行う筋肉の総称。すなわち、呼吸をするときに胸郭の拡大、収縮を行う筋肉のこと。種類としては、横隔膜、内肋間筋、外肋間筋、胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋などがある。
正常安静呼吸では、吸気は主に横隔膜の収縮によって行われ、また外肋間筋も使用される。呼気は筋肉を用いず、伸展された肺の受動的反跳(ふくらんだ肺が自然にもとに戻ろうとする力)によって行われる。努力呼吸時には、吸気には胸鎖乳突筋、前斜角筋、中斜角筋、後斜角筋が、呼気には内肋間筋、腹直筋、内腹斜筋、外腹斜筋、腹横筋といった呼吸補助筋が補助的に用いられる。