太極拳の龍の勢と龍脈
武当派の楊式太極拳では龍の勢(沾粘纏糸の勢)を多用します。
双龍採扌厥(そうりゅうさいけつ)・双龍大扌履(そうりゅうだいり)・双龍斜飛(そうりゅうしゃひ)双龍撇身(そうりゅうへいしん)大纏手(だいてんしゅ)や小纏手(しょうてんしゅ)昇龍纏腕(しょうりゅうてんわん)などの太極拳の擒拿術は、龍の勢を実感するのにとても役立ちます。
とても大切なことですが、龍の勢は龍脈を通ると言うことです。龍脈は聴勁により感じ取り、入り口からしか入ることができません。そして出口からでることにより、龍の勢による発勁は完成します。… 続きを読む
太極拳の発勁と三尖三節
「内の三合」 精気神 ・「外の三合」 手眼身 ———-以上を「内外六合」
精は手であり——–気は眼——–神(しん)は身である。
内の精気神の一致は、すなわち、手眼身の一致である。
太極拳の発勁の際の手眼身は三尖に通じ、相照する。「三尖相照」
神は身を震わせ三尖に向く
気が眼を光らせ三尖を見る
精は手(足)に三尖に爆発する。… 続きを読む
太極拳の散手練習
太極拳の練習方法でも、実際に実戦を想定して攻防を行う散手という練習方法があります。
ところが太極拳は自然に出る勢を使う武道のため、一般に行われているようなルールや、一線を超えてはならないという、意識下で使えるものでもありません。
実際に生命を脅かされるような場面に出くわすと、こうすればあのような技を出すなどに考えて、うまくいくことがないことは、実戦経験があるものにとっては当たり前のことです。
私たちの太極拳の練習は、いかに太極拳の長い歴史の中で、先人達が精選して抽出した、人間の根本にある強烈で純粋な勢を、当たり前に使えるかということを練習するものです。… 続きを読む
套路の過渡式が太極拳の神髄
現在行われている太極拳の套路で、型の姿勢、ひどい場合には手の形や足の裏の形などを正しく行うように要求があるとされていますが、実はその套路の型自体は、他の武道と同じく、構えもしくは、残心という、技の始まり部分と終了部分だけなのです。
もちろん構えと残心は大切ですが、その途中にある過渡式が実は技なのです。套路で行う技は基本勢による技が主体ですが、構えて技を練って技を終えて残心、そして連続技で套路が構成されている運用なのです。… 続きを読む
練習記録 高探馬帯穿掌
高探馬帯穿掌の穿掌の打ち方は手法でやります。主にに点穴で使いますが、この場合の穿掌の場合は龍の勢の一つ竜頭を使いますので、特別な打ち方が必要です。筒の中に槍が仕込んであって、筒を鞭のようにのように差し出すて、急に止めると中の槍が勢いよく飛び出します。これが高探馬帯穿掌です。
大事なのは、この高探馬帯穿掌の過渡式勢です。高探馬帯穿掌は高探馬からの過渡式に重要な勢があります。これを練習します。高探馬から左足が前に進みながら、急激に止まります。その勢は差し出した穿掌の先から飛び出ます。… 続きを読む
練習記録 劈身捶
- 劈身捶
撇身捶の勢を使って劈拳を打つ。用法として、相手の右手で右肩を押さえられて、背勢にされ、相手が左打虎を我が後頭部に放つ場合。撇身捶の勢にて腰腿で右にうねり、右腕の抱掌にて打虎を防御しながら、我が左腕は相手の右腕をしたからすくい上げ、右腕で上から下へ劈拳を放つ。
招式 打虎劈身捶(その他)上冲劈身捶
- 摺叠劈身捶
扇を閉じて広げるようにして打つ劈拳。
用法としては、劈身捶のように背勢に拳を受けない場合、例えば我は右前で相手の右劈身捶を左胸に受ける場合、我が左腕は外、右腕は内で交差し(十字手)摺叠して左腕で相手の劈身捶を外に流し、右腕で上から下へ相手の右側顔面や頸動脈や胸に劈拳を放つ。勢は十字手の合から開である。
「技」と「術」
技が本体(理由を帯びているもの) 術が作用(理由によって起こったその結果)を体系的にまとめたものです。 技があって技能(本体から作用を発するポテンシャル)があり、技法(本体が作用に至るまでの道筋)があります。 武術は武が本体であり技です。医術も医が本体であり技です。 太極拳の場合は技ひとつひとつに無限の術があります。… 続きを読む
採腿
採腿の技術を練習
その練習の方法は、もし右足を以って採腿を行うときには、右手を何か掴むようにして腰の所に引き付けると同時に、左手の掌を前方に打ち出して相手の面部を打ちます。(この場合の左手の動作を「閃」と言います。)この時の左腕は完全に伸ばさないで少し曲げておく方が良いでしょう。