武当山の徐本善が作った太極拳の套路に合わせた物語

 私の太極拳の師は、かつて大阪最大の任侠組織で「代貸」を務めていた私の祖父の用心棒をしていた中国人です。

祖父の組織は博徒と色街の他、大阪において全日本プロレスを発足し、大阪歌舞伎座の運営、とび職や清掃業なども行っていました。また、初代警視総監・鈴木氏とともに、大阪の治安維持にも深く関わっていたと自負していた組織です。

その中国人の師・王(おう)師(1905年〜没年不詳)は、当時の中国・武当山で道総を務めていた徐本善(1860〜1931年)の側近でした。様々な事情により、王師は上海から児玉誉士夫氏らのつてを通じて来日し、神戸の組織(現在の最大手暴力団で、長は全日本プロレス発足時の副会長)を経て、私の祖父のもとに身を寄せました。… 続きを読む

簡化24式太極拳で骨の髄まで練り上げる技法(単行本)

〓〓〓真の太極拳を学ぶ教本〓〓〓
現在、世界中で普及する太極拳は、現在の中国政府が健康体操として制定したもので、制定太極拳とも言います。特に簡化二十四式太極拳は最も普及しています。
しかしながら、古武道である太極拳を制定して体操化した時点で、武当山の内丹修行者の導引術として発達した「宗門の行」である多くの技法は全く失われています。
特に楊式の太極拳を基にした二十四式や八十八式の制定太極拳は、形だけが残され、「宗門の行」として行われていた太極拳と形はほとんど同じですが、歩法や勢い、気の発し方、型の繋ぎ目、型の動きなど全く違うものになっています。
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