今日の朝。いつもの公園の地面に、桜の花びらの絨毯が敷き詰められている。足下には、花びらと、地面がまだらを描いている。
この美しさは、無用の用である。
花びらが実なのか?
地面が実なのか?
虚実が織りなって、いい知れない美しさを醸し出している。
太極拳は陰陽の行である。
陰が実なのか、陽が実なのか。
花びらが浮かび上がるのは、地面があるからだ。
地面が存在を見せるのは、花びらの仕業。
太極拳の型と型の間に、過渡式がある。
… 続きを読む 今日の朝。いつもの公園の地面に、桜の花びらの絨毯が敷き詰められている。足下には、花びらと、地面がまだらを描いている。
この美しさは、無用の用である。
花びらが実なのか?
地面が実なのか?
虚実が織りなって、いい知れない美しさを醸し出している。
珍しく、いつも太極拳の套路を行う公園には行かず、すぐ近くの小さな公園へ。
小さな公園を覆い被せるように、桜が満開だ。
いつものように、長い套路をゆっくりと始める。
空気が体の内に染み渡っていく。細胞たちが細胞たちと話し始める。桜たちも、空気の粒も全てがつながる。
凌空勁、太極拳の最高の極意である。空間を越えて及ぶ、自然な力のことである。
この套路のひとときが、凌空勁を知るための大切なときである。
だから套路はゆるやかにやる。… 続きを読む