転身按と拳推手・転身按後摔

2016/6/19武道クラス
20160619_3 転身按の練習
相手が右手で我の右手を掴み、我の体の前方へ押し込みながら、我の体勢を左後方へ崩してくる。相手の勢は指襠捶の捶勢である。それを随勢で随うのだが、我の右手が我の前面の正中に来たとき、相手の捶勢が巧く働いたときには、あらゆる経絡は任脈に勢を向かわせ、我の右脇は合経となる。そして、合経を行き過ぎさせれば、経絡は折れて気勢の脈流は切断され死勢となる。これは、太極拳において、沾粘随連走化などの諸勁以外にある、節拿抓閉の技撃勁の一つである節勁である。この勢は古式85式には套路の中に含んである。今回の練習はここを重点的に行う。解法としては、その前に沾勢を働かせ、相手の捶勢に丹田が貼り付くと、後方に坐勁が生まれながら、相手の捶勢を走勢で走らせることができ、無極勢が生まれる。無極勢は高度な連勢であり、相手は勢が行きすぎ空虚となり完全な沖和となる。沖和したところで、我は右手を粘勢で粘りながら翻して、相手の右腕に我の手を上から粘らせ、左手を相手の前臂に貼りつけ、相手の正中に向かって双按の按勢を発する。相手は、それに随勢で随うのだが、相手の右臂が相手の前面に来たとき、我の按勢が巧く働いたときには、相手の右脇は合経となる。そして、合経を行き過ぎさせれば、経絡は折れて気勢の脈流は切断され死勢となり、相手は、その前に沾勢を働かせ、我の按勢に丹田が貼り付くと、後方に坐勁が生まれながら、我の按勢を走勢で走らせることができ、無極勁が生まれる。我は勢が行きすぎ空虚となり完全な沖和となる。沖和したところで、相手は右手を粘勢で粘りながら翻して、我の右腕に相手の手を上から粘らせ、左手を我の前臂に貼りつけ、我の正中に向かって双按の按撃を発する。そして双方、繰り返して練習する。これは拳推手である。… 続きを読む

散手対打 進歩捶拳-倒攆摟膝拗歩-左攔-如封似閉

2016/6/19武道クラス
20160619_2 相手との間合い。一足一拳の距離を保ち、相手の圏内に一足入り込み拳を打つ技法(進歩捶拳)
相手が左前、我も左前の場合、相手は右進歩で我の円圏の左側に入り、我の顔面急所に右捶拳を打ってくる。その右圏捶に随勢で随い、相手の拳を走勢で走らせる。構えているとき我の左前の円圏は満である。その満に向かって相手が入り込んできたときに、即座に左足を退歩して空にする。相手の捶拳はこの空で発勁が終わる。この退歩の勢は倒攆猴の流転の勢である。これも分虚実の勢であり、陰陽転換の術である。これは、主に倒攆猴のの退歩で稽古する。… 続きを読む

斜分脚に対する転身による技撃術

2016/6/19武道クラス
20160619_1①分脚の各種示意で行った整体の成果を確認。その分脚を使用して、相手の腹部前急所への斜分脚(斜踢脚)を練習。
腹部前側の経穴は入り口が小さいため、靴を履いている場合は靴先で蹴り込む。靴の中は前足底を出した蹴り方(踢脚)になる。通常は我の左脇腹に対する、相手の右斜踢脚に対して、左顧勢において套路と反対回りの外雲手で蹴りを受ける。相手の右回し蹴り(斜踢脚)を、外雲手の十字勁で挟み受け、同時に相手の金的などに分脚を蹴り込む。相手の蹴りの勢が我の身体の内側に斜めに走るので、それに随勢で随った左顧勢により、歩法は歇歩で、我の急所の有る身体を満から空にする。相手の我が身の満たされた場所に爆発する蹴りの発勁は、相手の勢を走らせたことによりここで消滅する。我が身を空にしてそこで爆発させる技術は、分虚実の勢であり、陰陽転換の術である。これは、主に進歩搬攔捶の前過渡式の歇歩で稽古する。… 続きを読む

単鞭鈎手による解法から鈎手拳

2016/6/5武道クラス
20160605_6右手を左手で引っ張られた場合の解法。
相手が我の右手を左手で引っ張った場合、引っ張る側の勢は引勢である。引勢は任脈に向かうため、その勢は相手の腹側内に向いていく。その引勢に随う随勢により、相手の引勢に沾勢で貼り付きながら走勢にて走らせ、糸巻きを巻くように粘勢で内に粘り、(随勢からここまでが纏糸勁)連勢で沖和して繋がったところで、単鞭の鈎手(こうしゅ)の環流勁の発勁で解法、解いたその手でそのまま鈎手拳を相手の顔面急所に打つ。(沖和からここまでも纏糸勁※解法から逆転)喙鹰手(鈎手の鈎尖で相手の急所を打つ)なども使用できる。… 続きを読む

若者に殴られた老人、太極拳を習得して8年後に“復讐”

太極拳の武道は、アウターマッスルが衰え始めた、老年期から始めると、とても楽に習得できます。アウターマッスルが豊富にある場合、どうしてもその力に主体を置くため、なかなか内勁を主体にする勁が身につきません。
当流でも、特に体の小さな女性や、外筋をあまり鍛えていない人の方が、内勁の主導に早く到達します。しかしながら、正しい修練を行えば、アウターマッスルを主体にしていても、内勁の主導に修正できますが、この場合は「赤子のごとく」と言われるように、今までの力の使い方や、形などを全て忘れなければなりません。後天的なカンフーを捨てて、先天的な無為自然を思い出します。… 続きを読む

多摩川のほとりで24式レッスン

多摩川のほとりで早朝に行った、簡化24式太極拳のレッスンです。
ほとんどが、始めて太極拳をされる方ばかりですが、最初に重要な甩手や基本歩法などを練習して行いました。
楊式太極拳の基本は、気持ちよくおおらかに楽しくです。
多摩川の水の流れる音と、心地良い風、木々の葉の擦れ合う音、鳥の声、朝日とともに、とても楽しくて、気持ちよくおおらかに行えました。

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古式楊式太極拳85式を覚えると、 簡化24式太極拳も順番さえ覚えればすぐにできます。… 続きを読む

太極拳演武見本(2016年4月24日スプリングフェスティバル)

太極拳演武見本(2016年4月24日スプリングフェスティバル)
※套路は単式を五行で行います。映像は套路のみです。套路の前後は立ったまま前後していますが、起立、着席です。
招式・護身術は武道生にて行います。(映像なし)
■套路
進歩搬攔捶
雲手
退歩跨虎
高探馬帯穿掌から十字腿
■招式 胴着用
進歩搬攔捶を雲手にて防御と同時に発勁、相手は退歩跨虎で防御、それを穿掌(高探馬帯穿掌)それを上十字で受けて蹴り(十字腿)
■套路… 続きを読む

白鶴亮翅 肩こり・四十肩・五十肩を直す 太極整体

太極拳は、套路自体が自力整体ですが、特に肩こり・四十肩・五十肩などに有効な型が「白鶴亮翅」です。

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この白鶴亮翅を椅子に座ったまま、上半身だけでも、仕事の合間などに行います。上半身だけを亮翅といい、八段錦で有名な坐道(太極拳の座禅)の養生術でもあります。

パソコンなどのデスクワークは背中の両肩甲骨の幅が広がり、おなか側の胸骨が狭まる猫背に固定されます。白鶴亮翅の型のとおり、息を大きく吐きながら鳥が羽を広げるように、片方の手は外側頭上に手の平が外側に向くようにして、片方の手は外側腰の下方に手の平が下に向くようにして、肩甲骨同士をくっつけるようにしていきます。その次に、息をゆっくり吸いながら体をゆるめ、右手を上手のひらを下にしてボールを抱えるようにしてください。次は左右対象にします。これを何度か繰り返してみましょう。胸骨と肩甲骨の開閉運動だけでなく、肩甲骨の紡錘円運動により、だんだんと肩が動く範… 続きを読む

楊式太極剣剣譜

武道クラスの予備科目として昨年から行っている太極剣の剣譜です。

当流では、実際の剣の重さのある剣を使用して練習をしますので、一般の演舞用の軽いジュラルミン等の剣で行う動きとは全く違います。従って、楊式の古式85式を修練し腰腿を併せて兼ね備えていなければ、剣を振ることはできません。従って、すぐに太極剣からの入門は受け付けていません。まず、基本クラスなどから、腰腿を自分でも修練できる楊式の古式85式を覚えてからご参加下さい。… 続きを読む

巨闕穴「点穴術・拿穴術」

巨闕穴 経絡は心経であり、任脈にある。募穴であるので、解穴はそれに対応する兪穴、心兪穴となる。督脈は神道穴を使用する。点穴はある角度と、高度な運用を行わないと、そう簡単に深部に到達しない。拿穴も同じである。金的においてもそうである。急所とわかっていても、ただ蹴った程度では、極度に痛いだけである。しかし、金的は死穴である。いざとなれば、点穴術を使用して蹴ることができるのは、普段の練習の賜である。そう簡単には教えない。だから正しく知り、むやみに人を蹴ったり、叩いたりしないことである。極論を言うと、殺されそうなときにだけ使用できれば良い。その運用法は、いくらでも急所を突かず練習ができる。技術よりも大切なことがある。それを知らないと、そう簡単に点穴の基本の基本を知っていても、いまや、ネットを見ればこのような基本情報はすぐに入手できるが、実践法を知らないのであれば、そう簡単に鑚打など打てるものでは無い。活法にしても拿穴にしても、そんなに簡単にできるのであれば、何も専門学校で学ぶことも無い。実際に、習っても指圧や整体を業としてやった人ならわかるだろうが、高度な発勁(拿穴)を身につけていないと、爪、手の指、手首、体中の関節を痛めるのが実際である。又は全く効かない。… 続きを読む