呼吸は生きる。息(いき)る。生命の要。

最近の話題作映画「ハプニング」、日本でのメインフレーズは「人類は滅びたいのか」。

この映画の中では、植物が何らかの有害物質を空気中に放出し、人間がどんどんおかしくなり死んでいきます。この映画が提供しようとしているメッセージは人類と植物の関係から、人間の生命の営みである呼吸に深く関わっていくことで、生命の根幹をも脅かすかも知れない大気という空間に目を向けたもののように思います。

もともと人間にとって、大気中になくてはならない酸素は地球誕生時の大気には存在していませんでした。しかし、植物のような光合成を行うものが出現したことで大気には徐々に酸素が蓄積されていきました。まるで植物が、地球を制覇しようとするような勢いだったという人もいます。

しかし、このように、本来、酸素は強い酸化力をもった毒性の強い気体でしたが、一部の生物は酸素を利用した酸化過程を通じて大きなエネルギーを利用できるようになったのでした。これはマイナスをプラスに転換するとも、危険を克服したとも言える劇的な事実でした。そして生物と植物の共存が成しえたのです。現在、酸素を利用した代謝のできる生物は細胞内のミトコンドリアにより炭水化物を酸化し、最終産物として二酸化炭素 (CO2) と水を排出します。これが呼吸です。この様な共存と調和が生み出したシステムでもあるのです。

酸素という毒物を、体内にいるミトコンドリアが代謝し、無害にする上、エネルギーをも生み出すのです。排出される二酸化炭素は、植物によって光合成に利用され、酸素を生み出すのです。これで循環という自然代謝できあがるのですが、そのバランスが壊れつつあるのが現状です。

同じく、人間の体内でも同じ事が起こりえるのです。ミトコンドリアの代謝力が弱まると、酸素が余分になり活性酸素が生まれたり、様々な障害が起こります。酸素の毒性が体内を駆けめぐります。呼吸では糖類は二酸化炭素 (CO2) および水にまで分解され、その過程でエネルギーの元がミトコンドリアで生産されます。

この様な呼吸を重要と捉え、東洋では昔から、吐納法や気功法と言われる呼吸術がありました。

腸及び周辺にある組織の温度を上げて活性化させ、様々なホルモンを生みだし、ミトコンドリアの代謝を正常にして、本来の正常な呼吸による代謝を循環させようというのがねらいです。

逆腹式呼吸の太極拳の吐納法

この逆腹式呼吸という武術ならではのすごく優れた呼吸法は、呼吸で一定の腹圧を作る訓練です。王流では胆式という型で行います。

吸気

まず、足を閉じて立ちゆっくりと手のひらを上向きに翻しながら脇の下まで手のひらを持ってきます。ここまで息を吸う動作です。逆腹式呼吸ですが、肺を膨らませるイメージではなく、横隔膜をおなかに下げていきながら胸郭を広げる感じです。おなかがぎゅーと圧縮され、おなかの裏側背中に圧力がかかります。おなかの圧力が増します。呼吸を意識するよりも動きと呼吸が一致し、丹田(臍下のおなか)が小さく縮むイメージを持ってください。深呼吸と同じですが、肺を広げるのではなく、横隔膜を下げ、胸郭を広げます。平均3ℓはあるといわれる予備吸気です。脇の下まで吸いきったら、手をもう少し外に翻しながら肩を上げず後ろへ引き、よりおなかに圧力を加え胸郭を最大に広げてください。あくまで動きにつられて吸気します。深呼吸よりも深い吸気になります。このより深い深呼吸は体の末梢のミトコンドリアまで酸素を送り届け、エネルギーとなり、体の生体活動を活性化します。その上翻したときに次の排気のための弾性すなわち、均衡反射(ニュートラルな状態に戻すための反射)を生みます。これが漏気(ろうき)といわれる動作です。

呼気

次により強く通常の基準値に戻ろうとする力 (均衡反射力)を利用して、ゆっくりと長い排気を行います。手を上に向けたまま脇からゆっくりと腰までおろしていきます。横隔膜を緩和させる感じです。医学的には横隔膜は排気の時に緩和してドーム上に上昇し、吸気の時に収縮して下降します。鼻からゆっくりと少しずつはきます。出来るだけ長い方が良いです。そしてウエストのところで吐ききってください。その時におなかが膨らむ感じで丹田の中に大きなエネルギー玉が出来ていくイメージです。腹腔が膨らみ圧力が高まることで胸郭が狭まる感覚です。この時の圧力は小さくなったときの圧力と膨らんだときは同じ圧力を保つようにします。

吐ききったのですが、まだ残気が肺の中に残っています。これを残気を吐けるだけ吐きます。腰にある手を下により一気に下ろして残気を吐きます。この呼吸法で肺の能力は一段とアップします。デトックスという毒素排出に役立ちます。排気は脂肪を燃焼させるので、より深い排気は脂肪の中にためられた毒素も排気と一緒に排出されます。多くはこの残気が肺に滞ることにより血が汚れる原因にもなっていますから、それも改善します。又、すぐに吸気に戻り数回循環して繰り返すと体にみるみる元気が戻ります。(元気になったら止めてください。それ以上は過換気になります)

 

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