太極拳の内丹勢法 #5 双按から、転動の勢

■坐道

八卦掌(清朝の宦官が創始したと言われる八卦掌とは違う)

太極拳の勢によって掌が玄妙に変化する。腰から始まる勢いのみによって、掌が八卦に変化することを経験する。

古くは太極拳の套路の中に多くの八卦掌と名の付く套路が多くあったが、最近まで残っていた武当古式太極拳には、纏手八卦掌、独立八卦掌のみが残存している。

■双按から、転動の勢

通常は双按の右腕を外側に引っ張ると、右に倒れる。その時に生まれる転動の勢は掌の変化から始まる。纏糸掌。

(二人で)

相手に双按の右腕を相手の右手で外側に引っ張ってもらい、纏糸掌で随から連までを行うと、相手は全く動けなくなり、その後、粘から化によって相手を制する。扌履勢や、栽、採勢などを使う。

(完全に相手の右手と一本の棒のようになる妙を経験する)

力を用いないで、八卦掌から始まる転動の勢いで相手を制する。面白いほど微細な勁にて相手は背勢になる。

※注意 随連と粘化を切らないこと。連を維持して粘り、化する。例えば、連のまま白鶴亮翅などに移行すると、相手は後方に沈み込む。

(補足)白鶴亮翅の亮翅勢は、下半身と関係なく勢いを発する。下半身の力を借りて、亮翅勢を作るのは、純粋に腰から勢いを発していないことになる。(坐道で確認すると良い)下半身の白鶴歩も上半身と関係なく、腰の勢いで形作られる。太極拳は腰が主君であることを基本とする。

片足を上げて亮翅勢を行ってみる。(古くは、独立亮翅などの套路もある)これが行えないと言うことは、亮翅勢が腰から発せられていないと言うことになる。

亮翅勢=鳥の羽ばたき方を思いだしてみる。

粘化は、例えば転身勢を使用してみる。他にも、何を使用しても良い。

(八卦掌)相手の右手首に、小指から薬指中指示指親指と、糸が纏わり付いていくような勢いを練習する。纏糸掌

(質問)反対側の手はどうするのですか?双按の、左手を右手で引っ張られた場合。

太極拳は、勢いである為、親指から示指、中指薬指小指と纏わり付いていくことになる。勢いというのは形のないものであり、人間の形に応じて発現するということを、他の型もそうであると理解しておく、随って、全て套路は暗勁に沈めていく。

(随の理解)随とは連に向かう無用の用。ただ相手に随うのはただ随っただけ。太極というのは、陰陽があり、転化し、折畳して重なり、太鼓を打ち鳴らすように沖和が高まっていくもの。連の時にはその高まりと重なりで相手と完全に繋がるばかり、それを無用の用として、次の粘に移行して、同じく化に移行する。その後も綿々として、一切、勤(特別に何かをする)すること無く、ただ流れていく。これが套路によって思いだされる。

按勢から転動の勢への変化を経験したところで、その勢いのみを守り按勢から転動を行う。(単鞭の前過渡式)

転動勢は扌履勢の子。大きく左に転動すると、単鞭の演武線の正面当たりで無極勢(ニュートラル)を迎え、大きく体幹と掌が緩やかに離れていく。これが拉開勢(らかいせい)。この心地よさをしっかり経験する。バレリーナのようだと表現するものもいる。

(招式)上歩採挒などは拉開したところから転動勢を発する。

拉開勢を甩手でもやってみる。通常は掤扌履勢。

※単鞭は、板の勢に降り戻す。肘底看捶は三角歩法から円の勢に行くため、体幹全体に拉開勢が戻ってくる。

(二人で)両手を持って、相手を振り回すと、相手が拉開勢から転動して自分の掤へ勢いを戻すと、こちらが振り回されることを経験する。振り回されているとき、相手の懐中に球勢があるが、それが緩やかに自分の懐中に滑り込んでくることで、転動が行われることを経験する。

単鞭は指先に拉開した勢いが、自分の腕を通じて体幹に戻ってくることで、転動が行われる。この違いは、次の型が、単鞭か肘底看捶かという違いだけであり、この二つを以てしても、転動勢はあらゆる場面で自然と拉開を向かえ、自然と引き戻されると言うことを知っておく。この勢いは絶大であり、絶大な勢いは、絶大な勁を生む。

 

20191219

 

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