股関節を内外に円転する歩法

武当派の楊式太極拳の源流を遡ってみると、武当太極拳があります。

武当太極拳から楊式に変化していった当事の套路の歩法には、ほとんどが、武当太極拳にある擺歩(はいほ)という歩法が使用されています。雲手などは套路に何度も出てくるのですが、側行歩においては、右は地震脚と、左は擺歩による進歩の練習でした。

現代太極拳の套路では、見受けたことがありません。

もちろん王流では、古式をそのまま大架式として練習しています。小架式にしても側行歩は擺歩を含んでいます。

翻身撇身捶(ほんしんへいしんすい)の翻身は扣歩であり、玉女穿梭(ぎょくじょせんさ)の歩法は扣歩(こうほ)と擺歩の繰り返しです。これは現代太極拳にも少なからず残っているようですが、重要視はされていないようです。

なぜ扣歩と擺歩は重要かと言うことですが、簡単な理由です。

ウェストを起点として、股関節を内転させるのが扣歩です。そして、外転させるのが擺歩なのです。ですから、股関節を円転させる為の内外の動きだからとても重要なのです。

この歩法の繰り返しが、鬆腰(腰をやわらげる)に伴い運動される鬆跨(股をやわらげる)の修練なのです。

この歩法で股関節が自然に円転します。従ってこれを修得すると、股関節を痛めることも無く、また股関節の強化や、故障の改善になるのです。

近年太極拳で股関節を痛める人が増えていますが、この歩法を習得しないで、太極拳という複雑な動きをするのは危険でしょう。

八卦掌にはこの歩法が重要視されているようですが、それは武術としては当然のことです。

太極拳においてもこの歩法をしっかりと練習しないと、武道として太極拳を健身に生かして行くことなどはできません。

王流の套路は、ふんだんにこの歩法を套路に組み込んでいますから、現代太極拳の方から言わせると歩法が間違っているとよく言われます。

しかし、擺歩や扣歩の重要な股関節の円転を失った套路を続けていると、重要な問題が起こることは確かです。

また、その動きをしっかりと練習すると、股関節の故障も無く、またそれらの問題も改善することも事実です。

歩法をただ直線的に動かすこと無く、このような扣歩と擺歩の理を知り、形や方式、伝聞にとらわれずに、自然の理をもって柔軟に太極拳の套路を楽しまれることをおすすめします。

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