楊式太極剣剣譜

武道クラスの予備科目として昨年から行っている太極剣の剣譜です。

当流では、実際の剣の重さのある剣を使用して練習をしますので、一般の演舞用の軽いジュラルミン等の剣で行う動きとは全く違います。従って、楊式の古式85式を修練し腰腿を併せて兼ね備えていなければ、剣を振ることはできません。従って、すぐに太極剣からの入門は受け付けていません。まず、基本クラスなどから、腰腿を自分でも修練できる楊式の古式85式を覚えてからご参加下さい。… 続きを読む

章門穴「点穴術・拿穴術」

章門穴   章門穴は脾経の募穴である。第11肋骨前端の下際にあり、鑚打を打ち込むと、全身の経絡の気が逆流する。即ち、気が逆向きに圧力が高まり、体中がこわばる。息が詰まって死ぬこともある。体中がこわばって石のようになるから、とても脆くなるので、軽い点打は当て身となる。虚を作り擒拿や摔角などの把式を行う。解穴である対応する兪穴は脾兪穴である。章門穴を拿穴すると、体の内に内勁を高めることになり、気が早く巡って内勁が薄れている場合、即ち気力が失せている場合にはとても有効である。抑鬱状態や心身症、精神疾患などの改善に役立つ。又こわばりすぎて、内勁に気が溜まりすぎて、体が硬くなっている場合には、脾兪穴を拿穴する。気が体内で停滞して高まり、体の節々に痛みが生まれたり、怒りが心頭したりする場合の治療に有効である。その人の証を見て適切に点穴又は拿穴する。募穴と兪穴の関係はその間に100円玉の直径ほどの管が通っていると思えば良い。套路などの高度な練習方法では、その間を勁が行き来する。拿穴はその間を実際に勁を行き来させる。点穴は、その間に真っ直ぐ発勁を打ち込む。そうでないと効くことも無い。龍脈と言い、武当派においては重要は実践理論である。
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巨闕穴「点穴術・拿穴術」

巨闕穴 経絡は心経であり、任脈にある。募穴であるので、解穴はそれに対応する兪穴、心兪穴となる。督脈は神道穴を使用する。点穴はある角度と、高度な運用を行わないと、そう簡単に深部に到達しない。拿穴も同じである。金的においてもそうである。急所とわかっていても、ただ蹴った程度では、極度に痛いだけである。しかし、金的は死穴である。いざとなれば、点穴術を使用して蹴ることができるのは、普段の練習の賜である。そう簡単には教えない。だから正しく知り、むやみに人を蹴ったり、叩いたりしないことである。極論を言うと、殺されそうなときにだけ使用できれば良い。その運用法は、いくらでも急所を突かず練習ができる。技術よりも大切なことがある。それを知らないと、そう簡単に点穴の基本の基本を知っていても、いまや、ネットを見ればこのような基本情報はすぐに入手できるが、実践法を知らないのであれば、そう簡単に鑚打など打てるものでは無い。活法にしても拿穴にしても、そんなに簡単にできるのであれば、何も専門学校で学ぶことも無い。実際に、習っても指圧や整体を業としてやった人ならわかるだろうが、高度な発勁(拿穴)を身につけていないと、爪、手の指、手首、体中の関節を痛めるのが実際である。又は全く効かない。… 続きを読む

空気との圧力

楊式太極拳は武道である。従って、誰かと相対している。套路とは、その相対する相手が空気であるに過ぎない。招式などの武道の対錬も、散手も、相手との融合をもって相手を制していくのが楊式の太極拳である。そうであれば、その高度な練習方法である套路に於いても、空気と融合しその空気との圧力を神気精で感じながら行えないといけない。そうすると、空気との融合は、まるで粘りけのある油の中を漂っているような感覚になる。意識でそのように思うのでは無く、実際にそのような感覚が生まれる。そうすれば、実際に、快拳で散手を行っていても同じ感覚であるはずである。人間相手に相手との融合を圧力を感じながら自覚するのは簡単だが、空気が相手となると高度な感受性が必要である。その感受性を現実に活かすことができるのが聴勁であり、その圧力を操作するのが粘勁、走勁、化勁などの蓄勁と発勁である。… 続きを読む

胸三寸

としごとに さくや吉野の さくら花 樹をわりてみよ 花のありかを

有名な一休和尚が、仏法のありかを問われ、「胸三寸」と答え、それなら胸を開けてやると迫られたときの短歌である。胸を開けてやると迫った、者はその後弟子になったという逸話。

太極拳に置き換えてみると

ゆらぐごと 煌めく型の 神(しん)の髄 身を割りてみよ 髄のありかを 

太極剣の神髄も「胸三寸」である。

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