金鶏独立の勢

金鶏独立は85式では、独立式、24式では下勢独立として、套路で練習します。

金鶏独立の勢は上下方向に交差する十字勁を中心として、上手には中心勢を維持しながら、挑勢(下からの振り上げ)、裏勢を肩より上で働かせます。

これにより、金鶏独立は長勁として完成します。
下の手は採勢です。腰腿も十字勁によって,上手の方の足は上に、下手の方の足は下に沈みます。
以上は金鶏独立の鑚勁と長勁の用法です。

金鶏独立は、中心線をねじりながら、腰腿によって、上腿を下腿側にねじ上げて、下の腕をその上腿の膝の外側に採勢によってへばりつけます。… 続きを読む

海底針と双龍拉椀

海底針は太極拳における裏勢(りせい)=(体の内側を使って抱き込むような勢)を習得する重要な招式です。

双龍拉椀(そうりゅうらわん)は海底針の示意であり、相手の手首の内側を双龍の上あごで、外側を大小の拳頭を下あごでひしぎ噛んで上あごを裏勢にもとづき内側に引き込み、上あごを前側へ押し噛んでいく手法です。

この裏勢がないと、以上の拉勁は発勁とはならないのであり、重要な練習方法となります。

海底針の裏勢は多くの擒拿術に含まれますが、この双龍拉椀は最も基本的な示意なので、単法として相対で練習をします。… 続きを読む

太極拳の四隅手における板と棒

太極拳は円の動きで動くと一般では理解されています。確かに十三勢の四正手(しせいしゅ)は円と曲の勢です。

ところが四隅手(しぐうしゅ)は直と伸の勢であり、後は五行の方角で十三勢となっているのです。

四正手は太極拳を聞いたことがある人なら円の柔らかな動きということで理解はできるでしょうが、四隅手は理解しにくいものです。

四正手も四隅手も五行も、相対の武道練習において詳しく学びますが、四隅手の勢を実感できるのは特に拳脚の相対練習になります。… 続きを読む

太極拳は意識で動くと他で教わりました。意識で動くと無為ではないですよね。

太極拳は意識で動く?そんなことをしていたら太極拳ではなくなります。
太極拳は無意識で動きます。

無意識とは何でしょうか?

無意識とは意識がないと言うことでしょうか?

実は違うのです。

意識には顕在と、潜在があります。そのどちらも意識なのです。

潜在にある意識が、自分では顕在しないで働くことが最も多く、癖や執着などに現れます。煩悩や見えない雑念なども全てそこにあります。

太極拳で言う、無意識とは完全なる純粋な意識です。無為自然と言います。… 続きを読む

練習記録

右手を相手の左手で下手で捕まれて、左手を相手の左手の手首の急所にかけてから、肘勁をうちながら腰腿で抜きます。

つかんだ左手は、彎弓射虎の勢で、右手は相手の顔面へ引き広げるように打ちます。… 続きを読む

撇身捶は太極拳の拳脚攻防の単練の宝庫です。

この撇身捶を招式という一つの技に分割すると、さっと50ぐらいはあげることができます。

85式の套路には撇身捶が数回出てきますが、その撇身捶を全て違う招式や用法を想定して練習するのが最も太極拳を使えるようになるための効果的な套路練習です。

武当派の流れをくむ王の楊式太極拳は実戦的な徒手武術です。その套路にある撇身捶は基本勢のみを練り上げる基本式です。

王の楊式太極拳にはその撇身捶の基本勢をもって行う多くの招式があります。主に拳脚による攻防が中心です。もちろん把式も多くあります。… 続きを読む

套路の過渡式が太極拳の神髄

現在行われている太極拳の套路で、型の姿勢、ひどい場合には手の形や足の裏の形などを正しく行うように要求があるとされていますが、実はその套路の型自体は、他の武道と同じく、構えもしくは、残心という、技の始まり部分と終了部分だけなのです。

もちろん構えと残心は大切ですが、その途中にある過渡式が実は技なのです。套路で行う技は基本勢による技が主体ですが、構えて技を練って技を終えて残心、そして連続技で套路が構成されている運用なのです。… 続きを読む

練習記録 高探馬帯穿掌

高探馬帯穿掌の穿掌の打ち方は手法でやります。主にに点穴で使いますが、この場合の穿掌の場合は龍の勢の一つ竜頭を使いますので、特別な打ち方が必要です。筒の中に槍が仕込んであって、筒を鞭のようにのように差し出すて、急に止めると中の槍が勢いよく飛び出します。これが高探馬帯穿掌です。

大事なのは、この高探馬帯穿掌の過渡式勢です。高探馬帯穿掌は高探馬からの過渡式に重要な勢があります。これを練習します。高探馬から左足が前に進みながら、急激に止まります。その勢は差し出した穿掌の先から飛び出ます。… 続きを読む

練習記録 劈身捶

  1. 劈身捶

    撇身捶の勢を使って劈拳を打つ。用法として、相手の右手で右肩を押さえられて、背勢にされ、相手が左打虎を我が後頭部に放つ場合。撇身捶の勢にて腰腿で右にうねり、右腕の抱掌にて打虎を防御しながら、我が左腕は相手の右腕をしたからすくい上げ、右腕で上から下へ劈拳を放つ。

    招式 打虎劈身捶(その他)上冲劈身捶

  2. 摺叠劈身捶

    扇を閉じて広げるようにして打つ劈拳。

    用法としては、劈身捶のように背勢に拳を受けない場合、例えば我は右前で相手の右劈身捶を左胸に受ける場合、我が左腕は外、右腕は内で交差し(十字手)摺叠して左腕で相手の劈身捶を外に流し、右腕で上から下へ相手の右側顔面や頸動脈や胸に劈拳を放つ。勢は十字手の合から開である。

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練習記録 散手 把式(解法)

散手 把式(解法)

両者手揮琵琶-甲・右手揮琵琶・乙左手揮琵琶

  1. (正上手把靠挒)乙が左手で甲の右手首を下からつかみ引き寄せ、乙の右拳で甲の顔面を打ってくる。甲は乙が引き寄せる勢に合わせ、撇身捶の勢により左に入りながら、乙の右拳を受けて、甲は右手を龍の勢を扌履勢と採勢にて後部右に解くと同時に、右靠勁を乙の胸部や顎に、できるなら頭部を相手の顔面の急所に発勁を放ち、抜いた右手は扌履勢から採勢の円圏を翻して、腰腿の勢で乙の後頭部などへ挒勢をもって発勁を放つ。
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