武術の動きをそのまま残す。

套路を演じるときは、武術の大切なところを表現するために、発勁を発するときの細かな動きを修練するため、ゆっくりと動く時には膝をつま先より前に出します。
一般的に日本で普及している健康太極拳とこの一部分をとったとしても違うのです。
膝がつま先よりも前に出るのは、発勁の時の纏糸勁の軸の回転の慣性を利用した、運動力学の新たな考えでもあります。
いま、古式太極拳は健康維持としても国連のWHOなどにも公表されたように見直されています。
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老師たちの套路

太極拳の老師たちは老齢が多く、若い頃に比べると肉体が衰えています。
しかし、年相応に素晴らしい套路ができます。年相応に、限界を超えた套路を表現できるのです。
例えば、膝を出してもバランスが崩れない身体能力もあります。
それは、筋力で動くのではなく遠心力を使っているから衰えないのです。
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太極拳の套路はゆっくり行う。

太極拳の套路はゆっくり行う。(想念太極拳・瞑想太極拳)

太極拳は陰陽が離れず、ずっと気によって連綿とつながっている。

ゆっくりやればやるほど、気を連綿と維持するのが難しい。

実戦においてその気の途切れが、隙となる。また技が崩れるところである。

相手のスピードがゆっくりに変化したとき、そのゆっくりと動くところでの気の維持ができなければ、相手に勢を委ねてしまう。要は相手の勢によってこちらが制御されるのである。… 続きを読む

型(けい)

発勁がなされたときの精による形が無数にある。それを勢としてまとめて形にしたものを型という。套路の中の一つの形である。型には多くの用法が含まれている。用法とはすなわち勢によってなされた発勁の精の姿である。続きを読む

「霊機於頂」太極拳は考えない。

考えないで行動するなとよく言われますが、太極拳では考えないで感じたままに反応することを練習します。

人間はまず感覚をもって、何かを感じます。そして、それから、視床下部のある古い脳の奥深くでその感覚を受けます。感受と言います。

音楽などは感受を主に働かせるので、奥深い脳が活性化します。

感受を受けてから想念という、考えの前にある念が生まれます。まだ考えとして意識に出ていません。

これは例えば好き嫌いなどの感情、愛情などが代表的です。トラウマやPTSDなどで植え付けられた感受は、ここで、心の奥深く気づかないところで想いとして芽生えています。そして、その気づかない想いが言動に表れます。いくら考えてから行動しようとしても、既に表情や体調、仕草などに現れてしまうのが、ここで言う言動です。その本来の心と違う行動をしようとする場合は、考えないといけません。考えることもこの社会では必要とされているようですが、実戦としての武道では役に立ちません。私は社会でも心に思ったまま考えずに行動できるように修行しています。… 続きを読む

太極拳では膝を壊す人が多いですが、膝を壊さず瞑想太極拳まで至るにはどうすればいいですか。

メールでご質問いただきました。ありがとうございました。

もともと太極拳の動きは、基本をしっかりしていないと膝を壊すのは当然の動きなんです。その他の武道も同じだと思います。

日本で普及している太極拳は、お年寄りでもすぐに始めることが出来る運動として普及しています。

しかし、基礎的な武道としての動きの基本を修練していないと、太極拳の高度な動きは当然、膝だけでなく、腰や首などの関節部分を痛めるのです。

そこで、制定太極拳は、その痛めることのない安全な範囲で動けるように制定されたものです。けが人が続出したりすると、もちろん普及もままなりません。

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速い動きの練習は必要ですか?

太極拳は套路や散手などでゆっくり練りますが、その密度がバネになって、驚くほど速い動きが出来るようになります。
自然の理を利用して動く太極拳は、考えるよりも早く動きます。
ゆっくり動くのはその考えると言うよりも,深いところにある動きを見つめる意味もあります。
本当の達人はとてもとてもゆっくり套路をやります。
24式でしたら、1時間などざらです。
しかし動くと、当たり前のようにすっと動きます。考えないからです。
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