太極拳の師の、実戦で放った発勁の強烈な印象は今も忘れられない。柳穿魚

 私が18才ごろから働いていた大型ディスコ(当事はサパークラブ)は、裏の人と芸能人が客の3/4を占めており、当事暴力団の縄張り争いが盛んな界隈の中心であったため、毎日数回の殺傷沙汰のケンカが起こり、近くの仮称マンモスボックスというところの警察官が店に入ってきて営業が数回止まるという、夕方の5時から朝5時まで営業するとんでもない危険な飲食店でした。
 私がそこに働き出した頃から、よくモデル風の女性を連れてやってくる50代くらいに見える人物は、私の店でも有名な人物で、いつも100%のオレンジジュースを飲み、私にも親しげに優しく接してくれていました。… 続きを読む

楊式太極拳の実戦用法。大切な女性に教えておきたい。前から掴みに来たら、まるで空気のように後方に投げ飛ばす不思議な投げ技。

15年ほど前、拳法家の集まりの芋掘りイベントに、多くの中髙生が参加していました。
私と妻も参加し、その拳法を習っている中高生達と戯れていました。
妻が、「まーちゃん(私の妻からの呼び名)をみんなで倒して」と笑いながら声を掛けると、10人ぐらいの中髙生が束になって一斉にかかってきました。
全員が風に吹き飛ばされるように、畑に敷かれたワラの絨毯の上に、私にことごとくふわりと投げ飛ばされ、見ていた拳法家の人々も驚いていました。… 続きを読む

楊式85式太極拳は勢によって掌が変化する八卦掌の美しさが特徴・転天尊


武当山伝承の楊式85式太極拳の套路には、八卦掌が全てに含まれています。
張三丰の伝承者、張逍遙(1595〜1661)も歴史に現れ、拳法の達人でありながら仙人として山に入り、草を摘み薬草を作り内丹や導引を行って、多くの武術家を指導しました。
張逍遙は、太極功の太極八卦反手勾と盆龍棍(短棍)を統合した太極扇を得意とし、優雅に「拳を造る」として多くの者に勧めました。… 続きを読む

楊式太極拳の極意・胸に玉を抱いて全てと連なる・抱球勢

楊式85式太極拳の套路には、攬雀尾や野馬分鬃その他多くの型の前過渡式に、抱掌があります。

抱掌は、多くは抱球勢、中には玉女穿梭の時のような抱玉勢、時には、攬雀尾掤勢の時のような掤勢の時などにも抱掌があります。

今回は、この抱掌の内、抱球勢によって相手と連なり、まるで玉を転がすような奥義を稽古しました。

これも連のテーマの一環であり、この稽古風景を公開しましたので、前回に引き続きご覧下さい。

人間は、四つ足動物であり、この抱球勢は母親のお腹の中にるときから保有している、大変大切な勢いです。… 続きを読む

太極拳の護身術・腕と身体を掴まれたら懒熊靠樹

大阪で、20代後半に、王師と共にクラブの女性に護身術の手ほどきをしたことが有ります。
このように、腕と身体をつかまれたらその勢いに乗って、相手に全重心をぶつけるのが懒熊靠樹。

このイラストでは、豪傑が右手で老人の腰を引き込み、左手で老人の左手を握り寄せています。

この豪傑の力にそのまま、勢いとして随して、連なったところから、一挙にその溜まった力の重さと共に、豪傑にこれからぶち当たる寸前です。

ぶち当たったら、豪傑はぶっ飛ぶので、そのまま逃げることが出来ます。… 続きを読む

魔法のような太極拳の極意は連にあり、連は、毎日の套路にて涵養する

毎日の稽古は、武当山で行われていた稽古と同じ模様で、今の武当山ではなく、崩壊前の武当山には武当道派があり、その結社として黄金蓮結社が中国全土の市中で活動していました。
市中の黄金蓮結社の道士は、様々なゲリラ活動に加わっており、彼らの使う武術は「拳法」と呼ばれ別格視されていました。武当山では、実戦太極拳を「太極拳法」と呼んでいたからです。
この道士たちに実戦的な太極拳を教えていたのが、私の師「王師」でした。… 続きを読む

毎日実戦で使っていた太極拳・私の病気を治した太極拳・医武同源

18才ごろから働いていた、大阪ミナミ(現中央区)の宗右衛門町ダイヤモンドビル6階のサパークラブ「クレージーホース」。
500席以上あり、フィリピン人の生バンドが演奏し、ホールでダンスを踊るスタイルの店で、客は裏の人と芸能人が4分の3で、私は、20才の頃にはその店の幹部になり、毎日数回起こるプロどおしのケンカを止める立場にいました。
ここが本店でしたが、梅田には梅田店(席数800ほど)があり、そこはキル・ビルという映画のモデルとなりました。その他にも北新地や京都にもカルチェラタンという店舗があり、ディスクブームで賑わっており、どの店も土曜日は2時間でcheckout、いわゆる出て行ってもらう形式を取っていました。… 続きを読む

武当山伝統の太極拳の武道稽古・初めて一部を公開します。

中国の武当山。古代からの太極拳(太極功)の稽古の風景は、私が王師から稽古を受けていたのと同じだそうで、今もその伝統のまま稽古しています。
毎日の套路は、勢の涵養で最も重要です。

勢が無限に広がり収縮する大架式で行います。

そして、その勢を以て人間どおしが重なり合う条件によって、そこに勁が発生します。
これが発勁です。

相手の条件がこちらに向かってきたり、去って行ったりする動きに、自然とこちらの勢いが随います。これが随です。套路にて自分の身体が破綻に向かっていくときに起こる勢です。いわゆるバランスが崩れていくときの勢いです。… 続きを読む

85式太極拳・進歩搬攔捶の輪拳という発勁

本日の夜間クラスは、白蛇吐信から進歩搬攔捶。進歩搬攔捶の搬から攔捶への過渡式にある、右拳の動きは「輪勢」という円軌道によって動く。この輪勢で打ち込む捶は下方から後方、上方から下方への円回転から発せられるので、全重心が上方から下方へと乗っていく発勁となる。その上次の左盼によって偶力(十字勢)も加わり、相手の極点に全重力を持って差し込むという効率的な鑚拳となる、太極拳独特の理を持った発勁となる。輪勢を持っているので輪拳とも呼ばれ、相手の突きをこの輪拳の最初の下方から後方の円回転で全重力を相手の突きに乗せて後方に運ぶので「搬」となり、相手は引き込まれるように崩れながら、鑚拳を打ち込まれる。招式として行うこの技は、「開山鑿洞(かいざんさくどう)」で武当山では日常的に招式として寸当てで行っていたそうです。… 続きを読む

楊式太極拳の技撃の実戦の参考動画がありました


この女性の遠心力で拳に全重量を乗せて振り込んで発勁する技は、太極拳の転身擺蓮の腰腿からの風擺勢を使った風擺拳です。風擺勢を使えばこのような強力な発勁になります。
また、後ろから掴まれたときに、後方に肘撃を行っているのは、転身右蹬脚の蓮心勢を使った、招式名「犀首観月」です。
また女性の蹬脚も套路にある左蹬脚や転身蹬脚のとおりで、追い打ちで膝蹴りを行っているのも、金鶏独立または海底針の沸勢での膝撃です。足刀は転身右蹬脚の過渡式の腰腿にて飛び出す発勁です。これらは力不要で勢いによって、発勁点に全重心が行き、強烈な発勁となります。全て「儘勁」という、自ずから意識せずとも気持ちがその方向に動き出せば自然と飛び出す発勁です。真の実戦はこれが全てです。考えていたら遅い上に、力を用いようとするので、このようにはなりません。「用意不用力」… 続きを読む