太極拳では、体中隅々までまんべんなく、細胞の一つ一つ、いやそれ以上の小さな分子や、原子などの量子の世界まで思いを馳せて、貫いていく響いていく。それを一体であるという「周身節節貫穿」という心意があります。「周身節節貫穿」は細胞の一つ一つ、原子の隅々まで
そして、その一節に添えられる一節は「無令絲毫間断耳」どんなに小さな微塵の隙間も途切れることは無く。「絲」10のー4乗。「毫」10絲、これが太極拳では心身のミクロに対する考え方です。… 続きを読む
Nature ハイライト:幹細胞の「健康」はオートファジーによって維持される | Nature | Nature Research
私たちの健康は、太極拳の医武同源の根本にある「整体」という思想においては、ホリズム「全体観」を以て維持されています。
全体観とは、例えば病気だけを取り上げて考えてみると、一つの場所にある疾患は、その場所だけの問題で起こるのでは無く、環境や心を含む全体的な状態で起こっていると考えられています。
このようなホリズムは、世界最古の医学といわれている「シッダ医学」の根本原理であり、その原理はインドから中国に伝わりました。そのためかどうか分かりませんが、シッダ医学のシッダ「特別な能力を持った医師」の一人が、タオの創始者である「老子」になったという説もあるほどで、老子の考えもホリズムの視点に立った全体論です。… 続きを読む
護身
ひ弱な女性や、年配者にとって、強力な筋肉と打撃力をつけて身を守ることなどナンセンスです。
(坐道トピック)明晰夢をもたらすγ帯神経活動 | Nature Neuroscience |
太極拳の源流には坐道があります。今から30年ほど前に、徹底的に坐道と瞑想太極拳(武当山では「存思」)を王氏から教わりました。その時に現れる多くの効果の内の一つに、夜に坐道もしくは瞑想太極拳の套路を行うと、よく朝の起き際に必ず「明晰夢」を見ることができるようになります。これは、道士たちが十方叢林で夜の修行の後、夢幻の中で技を練り上げ、悪鬼と戦ったり、民衆を助けたり、悟りを得たりが、自由自在に思い通りに運ぶことができるという、夢幻の修行として有名です。… 続きを読む
4METsの太極拳
朝の太極拳の套路は、楊式85式を約1時間ぐらい行います。

武道の世界《太極拳三昧》
武道の世界。真に経験したものしか知り得ない世界がある。
例えば、戦時中の中国で、戦後の日本で、生死の境において身につけた武道で武を実戦した、あの少林寺拳法の創始者の宗道臣氏。
武道と名がつけば、全て同じ世界でつながるようだが、彼の場合は違う。
私が思うに、彼の世界が真の武道の世界である。
実際に生死の境で武を実戦したものの世界は独特であり、経験したものでしか分かり得ない。
スポーツ化したものは論外だが、いくら、リング上で仕合でも、また、路上においても利を得るためだけに使用された格闘とは全く違う世界である。… 続きを読む
炎黄の裔《太極拳三昧》
昨日の武道クラスでは、久々に竹林の中にある、厳かな場所で練習を行いました。
そこでの実戦を想定した練習は、王師から聞いたことのある武当山での練習風景を彷彿させました。
そして、思い浮かんだのが、中国の神話です。
中国の神話に登場する炎帝は、多くの経験と実証を重ねていく神です。
医学において、炎帝は「神の鞭で草木を打ち、そしてなめて、その草木が毒か薬かを知った」と伝 えられています。草木をなめて日に何度も毒にあたって死にかけたのです。そして多くの経験を蓄積したのです。… 続きを読む
今日の対錬・玉女穿梭他《太極拳三昧》
左手揮琵琶で立つ。手揮琵琶を落として外円転で誘う。相手は進歩上捶でこちらの顔面を打ってくる。
誘い通りである。手揮琵琶の外円転は、相手の進歩上捶を手揮琵琶の円転の勢で外から内へ、そのまま採勢により相手の右手を押さえながら、右足を前に進め、相手の喉仏下の急所に挒を打つ。進歩採挒である。この場合は俯砍掌を使用して、内腕側で狙う。鎌掌または、腕鎌掌。握拳で鎌拳。より腕の角度を付けて、背点拳、表腕で背臂挒など、体勢に応じて挒を打つ。… 続きを読む
太陽の光に溶け込む《太極拳三昧》
太陽の光がさんさんと降り注ぐ、そんな中での太極拳は最高だ。
人間には迷いと、不安はいつもつきまとう。雲みたいなものだ。
しかし、今日の、雲一つ無い空から、あふれ出る光は清々しい。
この太陽の光に溶け込む。そのように生きる。不安も迷いも消え失せる。
人生にて全ての迷いと不安がなくなる。きっとそれは楽しいことだろう。 そう思うと、だいたい最初は、人間とは何だろう?から始まる。
何かに依存してそれを信じるより、自分が何者かを見つけたい。そう思う。… 続きを読む
恍惚感《太極拳三昧》
なんて心地の良い朝なんだろう。
風はそよ風で、日差しは温かく、全てが穏やかだ。
太極拳を始める。暫くすると、体中に何かが染み渡る。
一挙に恍惚感が駆け巡り、それからは夢のようである。
套路で、この変性意識がなぜ起こるのか?
それは太極拳では経験学的に明かである。
武当派では、それが当たり前であり、理論も確立している。
朝の套路でのこの恍惚感は、一日中持続する。
ゆるやかな無為の多幸感と、共有感に包まれる。
夜になると穏やかになり、すっと眠りにつく。… 続きを読む