石の上にも三年

石の上にも三年。ことわざです。

なんでもそうですが、3年もやれば必ず名人になれます。

これは人間の身体の生理成長(新陳代謝)理論と、脳生理学の運動野や側頭葉の記憶メカニズムでも明かです。

しかし、ここが大事なところです。「石の上にも。」ということです。

冷たい石の上でも3年も座りつづけていれば暖まってくるということです。

同じところに座り続けていないと,絶対に暖まりません。

太極拳経では入り口で間違えると、全く違うところに行ってしまうと説いています。… 続きを読む

胡蝶の夢

胡蝶の夢は、道教の始祖の1人とされる荘子による有名な説話です。

巨匠フランシスコッポラがこの説話をモチーフにした文学作品から映画を造り上げました。

私も見ましたが、その思想がよく表されています。

胡蝶の夢は、荘子が夢の中で蝶として、楽しくおおらかに飛んでいたところ、目が覚めたら人間に戻っていた。人間としての私が、蝶になった夢をみていたのか、それとも今の私が蝶が見ている夢なのかという説話でです。

太極拳では無為自然を教えます。… 続きを読む

眼法(目から始まる動き)

見ているところに人間は向かっていくという後天的な習性があります。それは目が向くからであり体もそれにつられて動いてしまいます。

自転車などとぶつかりそうになったときも、自転車の方はその人の逃げる動きを追ってますので、その人に向かって行ってしまうのです。
歩行者も逃げようとして、その自転車の動きを見ていますので、自転車に向かって行ってしまいます。
それで相互に正面衝突と言うことになります。車でも、人でも同じです。… 続きを読む

純粋を持続させる

純粋、何一つ囚われも曇りもない、当たり前であるがままの状態。

純粋(神=しんの性質)を持続させる。 例えば、太極拳の套路をゆっくりと長く続ければ、それはいづれはわかります。

日常生活で純粋を持続させてみれば、とても面白い現象が起こります。

もしそれが出来れば、一瞬にして周辺の世界も変貌します。

見るものも感じるものも包括した融合した感覚を得るはずです。

面白いように、思った通りに現象が起こります。

しかし、ここがみそです。面白いところです。… 続きを読む

じゃんけん・易と知られざる三極

じゃんけん。面白いものです。じゃんけんの理合にある、三極という原理、これが太極の易理論にとても重要な位置を占めているのです。

じゃんけんでは無く、こちらが負ければ、相手が勝つだけの場合。これは相対性です。

三極とは,こちらは相手に負けているが、別のものには勝っているということです。

太極の易理論はこの三極(自然の法則)と相対性(現実の現象)を明確に理論化しています。
易は、これらから統計学的アルゴリズムをはじき出して、数値化とその性状を定義したものですが、三極の変化を計算値に加味すると,変数が増える分だけより細かな易を測ることができるのです。… 続きを読む

意とは

賢明な心・・純粋無為自然な心の意味である。

神明にして、すなわち、その選択をした心のことを「意」というのである。

その選択は何でするのか。

これは「易」である。物事の変化もちろん自分の心の深層の変化を読み取り、その内から最も純粋で賢明なものを選び取る。一瞬である。

易は占いでは無く。変化を読み取るという意味である。陰陽の。日月の。

自然に人間には備わっている。無意識に深層に備わっている。

その易をもって賢明な選択をした心が「意」である。… 続きを読む

王師語録#7


 自分の中に自然が見つかったのなら、こんな騒がしいところでも、あたりまえにできるようになる。これが太極拳ができるということだよ。
陰陽和合。これが太極。
 音楽も聴くもよし、テレビを観ながらでもよし、鉄工所の中でも。太極拳は和合して発する。すべてにだよ。相手がなにであれ、自分の自然に和合できるのが本当。朝の套路はたまにはハードロックを聴きながら優雅にやりなさい。

(王師と話していた事を回想して語録に記録しています。下記にはその回想のきっかけになった事柄などを記載しています。)
続きを読む

無意識で動く太極拳の真の武術性

太極拳生活を続けていると、布団の中に入るとすぐに深い眠りにつき、そして、深い眠りの中でも異変ですぐに目が覚めます。

深い睡眠でも違和感に対し即座に目が覚めるのは、太極拳の副交感神経を使った練習で、深層意識を使った聴勁(相手や環境の気を感じ取ること)が自然に身につくからです。動物としての本能を思い出すみたいなもので、深いリラックスの中で、気が動く訓練を行います。

このような練習を続けていると、深い眠りの中で、少しの違和感にさっと目が覚める深層的な自信が身につきます。… 続きを読む

武術と套路

套路の武術性。

套路においての真の武術性は、武術の根本にある 人間本来の融和という能力にあります。であるから、套路は美しくて荘厳で力強いのです。

人間に潜在する能力は、枠や条件にはめず、おおらかに開放してこそ、発揮されます。それが太極拳の神髄でもあるのです。そこには、人間本来の素晴らしい活力と、全てのものと仲良く調和できる陰陽合一性がある から、人はこの武術を太極拳と名付けたのです。

楊式の古式は武術の動きをそのまま残そうとしている。

続きを読む