4次元の太極拳

 太極拳は十三勢と呼ばれます。

十三の勢には、まず四正手があります。

四正手は、右攬雀尾では、掤は進行方向に向かって右前上から扌履は左後下、擠は前、按は後下から前と、右交差の3次元を描き、左の攬雀尾で左交差の3次元を描き、幅、奥行き高さである空間を全て網羅します。身の幅、眼の奥行き、手の高さの三尖で空間を描くということです。

そして四隅手ですが、野馬分鬃では、靠肘挒で因縁果の三節になり、現在から未来への時間軸を構成しています。後ろ手の採はその現在を身の中心線とすれば、三節に伴う過去の時間を表しています。靠肘挒の勢は採勢が力点となっているのです。そして中心線が支点、そして靠肘挒が作用点です。靠肘挒と進む長勁は後ろ手の採勢が力点となり、身体の中心線が重要な支点として発勁されます。… 続きを読む

護身の極限

護身には「起きないようにどうするか」「起きてしまったらどうするか」の二つのアプローチがあります。
太極拳と柳生新陰流においては、生死の境の心境をどちらの場合でも心意に備えておくことが必要です。
これが、生の尊さからくる死に対する極限の護身なのです。 そして、これが、セルフエスティームです。

宮本武蔵が、どこまでも生き残ったのは、死の恐ろしさと対比する生と、またその生の中で生きる自分の尊さがあるからこそ、生死の境で使える護身の剣を生み出しています。… 続きを読む

護身とゾーン

地下鉄で体がぶつかったと言うことで、気づかないところから急に刺される。
こんなことは防ぎようが無い。確かにそのように言えるかも知れません。
しかし、楊式太極拳や柳生心陰流ではこの様なときの護身が最も大切な武道の入り口と教えるのです。

実際に私は何度もこれで命が助かっています。(ナイフでどさくさの中で攻撃されることは数え上げればきりが無いほどです。20歳前後の私の環境では日常茶飯事でした。とても多くのやばい人に恨まれていました(逆恨みです)ので、路上でも数回あります。その中で察知はできていたけど、逃げ場が閉ざされて実際に刺されてしまったのは2回、その2回は仕方なく足で腹を防御し、足を刺させ、相手を制しました。これも察知できていたおかげです。)… 続きを読む

今を生きる極意

今日2012年5月21日 午前7時34分。太極拳の套路を終えて、空には薄雲の合間から金環日食が。

デジカメで写真を撮影。まぶしすぎて金環はわかりませんでしたが、肉眼ではしっかりと見えました。

人は一瞬を切り取る写真に心を寄せます。

人生とはこの一瞬に全てがあり、命はここで輝いている。

私は、このように感じて生きています。写真はこの一瞬を切り取る。通じるものです。

インド独立の父。マハトマ・ガンディーの残した言葉がFaceBookで紹介されていました。… 続きを読む

護身の基本の基本

武器を持とうが、拳銃を持とうが、いくら筋肉をつけようが、巧みな術も精神力もつけようが護身なんてものは簡単にできません。

まず護身の基本の基本は心理にあります。

欧米ではそれが当たり前であり、そのためのプログラムが豊富です。

まず、セルフエスティームを高める、すなわち自らを知り尽くしその尊い自分を思い出すことです。
ですから護身術は生まれたときから、始まっているのです。大人になってからもそれを高める方法もあります。まず、これがとても大切です。これを高めるというのは最も大切な護身術の基盤です。… 続きを読む

石の上にも三年

石の上にも三年。ことわざです。

なんでもそうですが、3年もやれば必ず名人になれます。

これは人間の身体の生理成長(新陳代謝)理論と、脳生理学の運動野や側頭葉の記憶メカニズムでも明かです。

しかし、ここが大事なところです。「石の上にも。」ということです。

冷たい石の上でも3年も座りつづけていれば暖まってくるということです。

同じところに座り続けていないと,絶対に暖まりません。

太極拳経では入り口で間違えると、全く違うところに行ってしまうと説いています。… 続きを読む