武当山に似ている摩耶山で、太極拳の稽古を毎日受けていた日を思い出します


おはようございます。
私が25才の頃、王師との待ち合わせは、朝の9時に、神戸の摩耶山のロープウェイの駅で待ち合わせで、それからロープウェイで頂上まで行くこともあったり、その付近の王師が知る秘密の場所で、朝から太極拳を学びました。
半年ぐらいはほぼ毎日で、もう、あたりまえのような日課で、周辺のホテルに泊まったり、有馬温泉に泊まったりすることもたまにありましたが、家からは車で40分ほどでしたから苦にはなりませんでした。… 続きを読む

楊式85式太極拳は勢によって掌が変化する八卦掌の美しさが特徴・転天尊


武当山伝承の楊式85式太極拳の套路には、八卦掌が全てに含まれています。
張三丰の伝承者、張逍遙(1595〜1661)も歴史に現れ、拳法の達人でありながら仙人として山に入り、草を摘み薬草を作り内丹や導引を行って、多くの武術家を指導しました。
張逍遙は、太極功の太極八卦反手勾と盆龍棍(短棍)を統合した太極扇を得意とし、優雅に「拳を造る」として多くの者に勧めました。… 続きを読む

楊式太極拳の極意・胸に玉を抱いて全てと連なる・抱球勢

楊式85式太極拳の套路には、攬雀尾や野馬分鬃その他多くの型の前過渡式に、抱掌があります。

抱掌は、多くは抱球勢、中には玉女穿梭の時のような抱玉勢、時には、攬雀尾掤勢の時のような掤勢の時などにも抱掌があります。

今回は、この抱掌の内、抱球勢によって相手と連なり、まるで玉を転がすような奥義を稽古しました。

これも連のテーマの一環であり、この稽古風景を公開しましたので、前回に引き続きご覧下さい。

人間は、四つ足動物であり、この抱球勢は母親のお腹の中にるときから保有している、大変大切な勢いです。… 続きを読む

太極拳の護身術・腕と身体を掴まれたら懒熊靠樹

大阪で、20代後半に、王師と共にクラブの女性に護身術の手ほどきをしたことが有ります。
このように、腕と身体をつかまれたらその勢いに乗って、相手に全重心をぶつけるのが懒熊靠樹。

このイラストでは、豪傑が右手で老人の腰を引き込み、左手で老人の左手を握り寄せています。

この豪傑の力にそのまま、勢いとして随して、連なったところから、一挙にその溜まった力の重さと共に、豪傑にこれからぶち当たる寸前です。

ぶち当たったら、豪傑はぶっ飛ぶので、そのまま逃げることが出来ます。… 続きを読む

魔法のような太極拳の極意は連にあり、連は、毎日の套路にて涵養する

毎日の稽古は、武当山で行われていた稽古と同じ模様で、今の武当山ではなく、崩壊前の武当山には武当道派があり、その結社として黄金蓮結社が中国全土の市中で活動していました。
市中の黄金蓮結社の道士は、様々なゲリラ活動に加わっており、彼らの使う武術は「拳法」と呼ばれ別格視されていました。武当山では、実戦太極拳を「太極拳法」と呼んでいたからです。
この道士たちに実戦的な太極拳を教えていたのが、私の師「王師」でした。… 続きを読む

毎日実戦で使っていた太極拳・私の病気を治した太極拳・医武同源

18才ごろから働いていた、大阪ミナミ(現中央区)の宗右衛門町ダイヤモンドビル6階のサパークラブ「クレージーホース」。
500席以上あり、フィリピン人の生バンドが演奏し、ホールでダンスを踊るスタイルの店で、客は裏の人と芸能人が4分の3で、私は、20才の頃にはその店の幹部になり、毎日数回起こるプロどおしのケンカを止める立場にいました。
ここが本店でしたが、梅田には梅田店(席数800ほど)があり、そこはキル・ビルという映画のモデルとなりました。その他にも北新地や京都にもカルチェラタンという店舗があり、ディスクブームで賑わっており、どの店も土曜日は2時間でcheckout、いわゆる出て行ってもらう形式を取っていました。… 続きを読む

武当山伝統の太極拳の武道稽古・初めて一部を公開します。

中国の武当山。古代からの太極拳(太極功)の稽古の風景は、私が王師から稽古を受けていたのと同じだそうで、今もその伝統のまま稽古しています。
毎日の套路は、勢の涵養で最も重要です。

勢が無限に広がり収縮する大架式で行います。

そして、その勢を以て人間どおしが重なり合う条件によって、そこに勁が発生します。
これが発勁です。

相手の条件がこちらに向かってきたり、去って行ったりする動きに、自然とこちらの勢いが随います。これが随です。套路にて自分の身体が破綻に向かっていくときに起こる勢です。いわゆるバランスが崩れていくときの勢いです。… 続きを読む

85式套路・斜単鞭・斜の理由は、仙人歩へ繋がる発勁


 木曜日の夜間クラス。予定は67進歩搬攔捶から68上歩攬雀尾の予定でしたが、どこからか、48斜単鞭の話題になり、48斜単鞭から49野馬分鬃となりました。
 なぜ「斜」なのかという事です。
 単鞭の勢は単捶勢であり、鞭のような勢から単捶勢を持つことから鞭勢とも呼ばれます。
 ぬれタオルでバチンとやる、あれです。過去に「やってみてくれ」という私の古い弟子の要望に応え、実際にやってみると、筋肉隆々の弟子のの身体に、10cm大の円形の水腫れが出来、その上、痛さのあまりうずくまったほどです。顔面などに打つと危険です。… 続きを読む

牛を引き、豚を投げるような腕力ばかりを誇って、 それが一体何になるというのか。–袁希濤

袁希濤は北京にて活動していた、武当山の武当道派の道家で、太極拳の師範でもある人物です。
この袁希濤が、1921年に許禹生が発行した「太極拳勢図解」という書籍の冒頭に題詞として下記の文を載せました。その原文は下記のとおりです。

在昔角牴。意存釣奇。曳牛摶豬。徒勇何為。
嗟彼武術。損益然疑。發揮光大。其在是時。
敎誨有度。調一罄宜。桓桓學子。天馬得覊。
克剛克柔。以遨以嬉。筋骨互運。心力互追。
著者楮墨。法無所遺。流傳萬本。並詔來茲。… 続きを読む

太極拳の神髄・張三峯の「無根樹」が全てを語る

『無根樹』は、武当山にて古代からの太極功を太極拳として集大成した張三丰によって書かれた詩で、24章から成り立っています。張三豊はこの詩的な内容は、側近の者にしか理解できなかったため、更にかみ砕いて、無根樹100首を創作して、来山社や太極功(太極拳を含む太極道法の全て)を習う者達に配布しました。例えば、無根樹100首の第1首は下記のとおりです。
【第1首 原文】
無根樹上花正開 紅塵一去不回來 勸君莫戀花間酒 … 続きを読む